【ONEPIECE】仮初の海を今日も漂う。 (ページ45)

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肆拾参話ページ45

作戦会議はサンジが夕飯の支度を終えたことで一時中断となった。

大きな円卓を全員で囲みながらの、なかなか豪華な食卓である。Aはナミとロビンの女子組に挟まれて着席した。
乾杯の合図で食事は滞りなく始まるはずだったのだが…

『…ええと、何故見ているんだい？』

｢いいから気にしないで!｣

Aの一挙一動を逃すまいとして、色とりどりの目が彼女に注目している。
両隣のナミとロビンは隠す素振りもなくじっと見詰めている上、ゾロやチョッパーまでもがチラチラと視線を寄越す。
何かを期待している様子なのは理解るのだが、一体何事なのだろうか。

『気にするなと言われても流石に無理があるのだけれど』

｢まァいいじゃねェか｣

｢料理が冷めちゃうわよ？｣

｢そうだぞ!くえ！｣

勢いに押されて、Aは仕方なくスプーンを手に取り湯気の踊るスープをひと匙口に含んだ。

途端に彼女は背後に文字通り(・・・・)宇宙を背負ったのである。
どこかで｢宇宙猫｣という言葉を聞いたことがあるが正しくそれに近い。

『え、すごい何これ。すごくおいしい』

口達者な彼女の発言とは思えないような感想である。

元から食に関心の薄い身の上ではあったが、ここまで上等な食事は口にしたことがない。
あまりの美味に放心するAを見詰め、口元をニマニマと緩めたナミが呟いた。

｢…私、後から仲間になった人が初めてサンジくんのご飯食べた時の反応見るの好きなのよねぇ…｣

｢わかるぞ。サンジの飯に慣れると他所で食えなくなる｣

ニヤけるでもないむず痒そうな緩い顔をした彼らに囲まれて居心地の悪くなったAは早々に顔を背けた。

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『(神の御手を持つ眉毛くんがいれば、｢美味によるショック死｣を実行出来るかもしれないのだよ!)』

｢(やめんかァ!!!!)｣

『(これぞ清く正しく健康的な自殺!)』