参拾肆話 / 歓楽の島 ページ36
「島だーっ!!冒険だァ〜〜……あれ?」
「普通に明るいぞ、「常夜島」じゃないのか?」
一番に船を飛び降りたルフィと、続いたチョッパーが首を傾げた。
これまで上陸してきた島と何ら変わりなく、空には太陽が輝いているし、月だって星だって見えやしない。
「お前らそこの看板見てみろ。「常に夜」ってのは
寂れた港の、観光客に向けた立て看板。
立派な支柱のそれには「ようこそ!昼も夜もない歓楽の町・ペルニカへ!」と掲げられているが、べったりと赤錆が付着していて年月の経過を感じさせる。
「歓楽ゥ?どこ見たって店も人も、なんにもねェ島だぞ」
「確かに港に人が居ないのは不自然ね」
麦わら一味以外に人の声はなく、やけに静かだ。
本来港に立ち並ぶはずの漁船や市場、観光客に向けた土産店も全てシャッターが閉まっており閉鎖的な雰囲気を醸している。
「こんなんじゃ聞き込みも出来ねェな。しらみつぶしに探すしかねェか?」
「そうするしかないわね…」
そう結論付けようとした時、チョッパーの視界で何かが動いた。
「んん、待ってくれ!アレ、人じゃねぇか!?」
「まさかそんな都合よくいるわけ……
……ほんとに居たァァーー!?!?」
シャッター街のほんの少し奥まった位置にある一軒の店。そこから僅かに明かりが漏れ、人影が揺れている。
しかし今まさにシャッターが降ろされようとしていた。
「おれたちじゃ間に合わねェ、ルフィ!」
「任せろ!"ゴムゴムのォ、逆ロケット"!」
例え距離が開いていようとルフィには関係ない。伸ばした腕で店主の男をとっ捕まえて、反動で引き寄せてしまえばいいのだから。
「ウオォ!!な、何だ何だお前たち何だ!?!?んま、まさか観光客かい!?」
「客ではねェんだが…とにかく聞きたいことがいっぱいあんだ!なんで人が居ねぇんだとか、それから…」
「シッ!!ちょっと待て!」
男は興奮気味に大声でまくし立てるウソップの口を手で塞いだ。
そして大きな体を縮めると辺りをキョロキョロ見渡した。
「質問には答えてやるから、とにかく俺の店へ入れ…!こんなとこを見られたら…早く、全員だ!!」
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まどろみマフィア(プロフ) - ぽ、ぽぽぽぽぽポートマフィア?!なんですと?!ギュフフィンフィン(ポトマが出てきて歓喜中の中也推し) (1月25日 0時) (レス) @page37 id: 2cd01fe314 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翠 | 作成日時:2022年11月7日 10時