検索窓
今日:32 hit、昨日:63 hit、合計:144,805 hit

参拾肆話 / 歓楽の島 ページ36

「島だーっ!!冒険だァ〜〜……あれ?」


「普通に明るいぞ、「常夜島」じゃないのか?」



一番に船を飛び降りたルフィと、続いたチョッパーが首を傾げた。
これまで上陸してきた島と何ら変わりなく、空には太陽が輝いているし、月だって星だって見えやしない。



「お前らそこの看板見てみろ。「常に夜」ってのは意味違い(・・・・)みたいだな」


寂れた港の、観光客に向けた立て看板。
立派な支柱のそれには「ようこそ!昼も夜もない歓楽の町・ペルニカへ!」と掲げられているが、べったりと赤錆が付着していて年月の経過を感じさせる。




「歓楽ゥ?どこ見たって店も人も、なんにもねェ島だぞ」


「確かに港に人が居ないのは不自然ね」


麦わら一味以外に人の声はなく、やけに静かだ。
本来港に立ち並ぶはずの漁船や市場、観光客に向けた土産店も全てシャッターが閉まっており閉鎖的な雰囲気を醸している。



「こんなんじゃ聞き込みも出来ねェな。しらみつぶしに探すしかねェか?」


「そうするしかないわね…」


そう結論付けようとした時、チョッパーの視界で何かが動いた。


「んん、待ってくれ!アレ、人じゃねぇか!?」


「まさかそんな都合よくいるわけ……
……ほんとに居たァァーー!?!?」


シャッター街のほんの少し奥まった位置にある一軒の店。そこから僅かに明かりが漏れ、人影が揺れている。
しかし今まさにシャッターが降ろされようとしていた。



「おれたちじゃ間に合わねェ、ルフィ!」


「任せろ!"ゴムゴムのォ、逆ロケット"!」



例え距離が開いていようとルフィには関係ない。伸ばした腕で店主の男をとっ捕まえて、反動で引き寄せてしまえばいいのだから。


「ウオォ!!な、何だ何だお前たち何だ!?!?んま、まさか観光客かい!?」


「客ではねェんだが…とにかく聞きたいことがいっぱいあんだ!なんで人が居ねぇんだとか、それから…」


「シッ!!ちょっと待て!」


男は興奮気味に大声でまくし立てるウソップの口を手で塞いだ。
そして大きな体を縮めると辺りをキョロキョロ見渡した。



「質問には答えてやるから、とにかく俺の店へ入れ…!こんなとこを見られたら…早く、全員だ!!」

参拾伍話→←参拾参話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (149 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
344人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まどろみマフィア(プロフ) - ぽ、ぽぽぽぽぽポートマフィア?!なんですと?!ギュフフィンフィン(ポトマが出てきて歓喜中の中也推し) (1月25日 0時) (レス) @page37 id: 2cd01fe314 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2022年11月7日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。