弐話 ページ3
「「ちぇっ!?」」
「ぎゃぁぁぁぁぁあ!!!!起きたぞ!?!?!?」
「退避ィーー!!直ちに距離を取り隠れろチョッパー!!」
『わァ喋るトナカイ。面白いね、どういう絡繰で動いているんだい?』
女は倦怠な目元を瞬かせてチョッパーを見つめていた。
先程まで海に漂っていたとは思えない程ピンピンした様子に怯え、ウソップとチョッパーは船のマストにまで後ずさって身を隠した。
「おめーおもしれぇなァ!!なんで海なんかに浮かんでたんだ??」
『浮かぶ?…はぁ。
君達だね、私の自 殺を邪魔したのは。浮かんでいたのではなく入水さ。この意味解る?』
そう言った女は周囲を気にすることも無く再び深ァい溜息を吐いた。
「「自 殺ゥゥ!?」」
「待て早まるな!!生きてりゃ楽しいことがあるってきっと!!」
『そうだと善いのだけれど。
実際私のコレは趣味の一環だから気にしないでくれ給え…。ところで君がこの船の船長さんかい?』
「おう!おれ、モンキー・D・ルフィ!おまえは誰だ?」
『そうか。私はAだ。
君達に迷惑をかけてしまったお詫びがしたいのだが、生憎海の上じゃして遣れる事は少ないだろう?
だから責任を持って次の島まで送り届けてくれ給えよ。』
「お?いいぞ!」
「ち、ちょっとアンタそれいいように使われてるだけよ!?」
ナミが慌ててルフィの口を押さえるも、時すでに遅し。
Aはニッコリと嘘くさい笑顔を浮かべて、ついでに腰に差した白鞘の短刀を指した。
『まァ善いじゃないか可憐なお嬢さん。こんなナリだが腕は立つ。お荷物には成らない筈だよ』
「だからって!
…とにかくタダじゃ乗せられないわ。こっちも生活かかってんのよ…!」
ナミはすぐさま手帳を広げ凄まじい速さで書き込んでいく。ついでに電卓もガチャガチャ叩いてなにかの計算をしているようだ。
『彼女は何を?』
「アイツのアレは病気だ、放っとけ」
薬指で勢いよくイコールを弾いたナミが「できた!!」と声を上げ電卓の画面を天高く掲げた。
「滞在費一日5万ベリーよ!!風呂代食事代込み!
払えないんならまた海飛び込みなさい」
「鬼畜か?!」
『君漂流者から巻き上げるのかい…?まぁ善いや、はい』
一瞬怪訝な顔を見せたがAは水を吸って重くなった外套の衣囊を何やらゴソゴソとまさぐって、目的のものをナミに投げ渡した。
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まどろみマフィア(プロフ) - ぽ、ぽぽぽぽぽポートマフィア?!なんですと?!ギュフフィンフィン(ポトマが出てきて歓喜中の中也推し) (1月25日 0時) (レス) @page37 id: 2cd01fe314 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翠 | 作成日時:2022年11月7日 10時