検索窓
今日:33 hit、昨日:63 hit、合計:144,806 hit

弐拾漆話 ページ28

Aにとって、サンジに向かって飛び降りたのは「丁度いいや」くらいのもんだったのだが、慌てたのはサンジの方である。



ナミやロビンがするように軽い調子で受け流されるものだと思っていたのに、なんとAちゃんはおれを信じておれの(・・・)胸の中へ飛び込んで来てくれたのである。



風を孕んでぬばたまの髪がふわりと持ち上がり、理知的で高貴な濃青の瞳がいつもより少し晒けだされて、一瞬だけかち合った視線にまるで天使がラッパ片手に舞い降りてきたのかと錯覚するような心地だった。



「しっ至福…!!Aちゃんと抱き合ったこの海がおれのオールブルーだ〜〜♡」


「…ほんっとに気持ち悪ぃなテメェは」


「今お前に何を言われたところでなんっにも耳に入らねェ…お好きにどうぞマリモくん…」



Aがサンジを抱きしめ…いや掴まっているのは泳げないからであって一切他意は無い。
しかしサンジは好機だと言わんばかりにAを両腕でぎゅうと抱き締めて、なんなら彼女の旋毛に頬擦りまでして全身でAを堪能している。




当の本人は飛び込んだ自分を立ち泳ぎのまま難なく受け止めたサンジの脚力に感心しているところで、抱きしめられていることになんの反応も返していないのが悲しいポイントではあるが。



もはやお得意のメロリン♡ハートすら飛ばさず、"感無量"と言った様子で静かにAを堪能するサンジを心底引いた目でゾロは見ていた。



-----------------




その後、全身凍ってはいるものの命は取られずに済んだルフィが船に運び込まれ、ロビンと共にチョッパーの治療を受けていた。


残された船員はじっとしていられる筈も無く、甲板に集まって吉報を待ち続けている。
その時だった。




医務室のドアが勢いよく開いて、チョッパーが泣きながら出てくる。



「ウウッ…二人とも…心臓が動いた……!!!」





しかし未だ意識は取り戻していないようで今夜はここで停泊することとなった。

弐拾捌話→←弐拾陸話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (149 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
344人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まどろみマフィア(プロフ) - ぽ、ぽぽぽぽぽポートマフィア?!なんですと?!ギュフフィンフィン(ポトマが出てきて歓喜中の中也推し) (1月25日 0時) (レス) @page37 id: 2cd01fe314 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2022年11月7日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。