路地裏の狼。２【SEVENTEEN】

61（SR） ページ14

私は母とその不倫相手から生まれた。

母はそのせいで離婚。その上それを私のせいだと暴力を振るってくるようになった。

しまいに母は不倫相手と再婚し、私は施設へと預けられた。

施設に行ったら楽しい生活が出来る、そう思っていたのに現実はそう簡単にはいかなくて。

私が施設に来た経緯を聞いて、施設の子達は私を虐めるようになった。
先生は見て見ぬ振り。私は誰も頼れる人が居ないまま地獄の日々を過ごしていた。

ある日、私は生きるのをやめようと思い、ロープで輪っかを作り、天井に引っ掛けた。

それを見つけた施設の子は流石にまずいと思い、先生を呼んだ。
先生は私を見て慌てふためき、ついにはこう言ったのだった。

「迷惑だから死ぬなら他所で死んで。」

私はそれを聞いて絶望し、施設を飛び出した。

その後、私は万引きやら何やらを繰り返して生活をした。
そのうちに裏社会と通じる人と知り合い私もその世界に入った。
高い地位に就けば就く程手下は増えていった。

私はその時、少しだけ幸せだと感じる事ができた。大勢の人に慕われる感覚は、一言では言い表せないくらい素晴らしいものだった。

でも、そんな時間も束の間、私はこの世界に入るきっかけになった人と対立し、しまいには殺されそうになった。

一人ボロボロになって道を歩いていると、

「大丈夫ですか？」

声を掛けてくれたのはAの父親だった。

私はその瞬間彼に恋をした。

彼と別れた後も色々な情報ルートを通じて個人情報を調べ上げた。

そして、自分の物にしようと考えて、彼の家族を離れ離れにしたのだった。

彼は家族を最後まで守ろうとした。

でも、私が一言「抵抗したら全員殺す」と言ったら彼は態度が一変し、私の恋人となった。

でも、まだ彼の頭の中には家族に対する未練が残っているようだった。

そんなんじゃダメ。頭の中は私でいっぱいじゃないと許せない。

そう思って、私はAが行くはずだった高校の先生になり、あらゆる生徒を利用してAを見つけることにしたのだった。

62（You）→←60（HS）

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す