路地裏の狼。２【SEVENTEEN】

62（You） ページ15

SR「…同情なんか要らないわ。早く警察でも呼びなさい。もういいから。」

そう言ってサラン先生は身体の力を抜いた。

WZ「お前、愛されなかったって言ってたよな。」

不意にウジが言った。

サラン先生は虚ろになった目でウジを見て、

SR「ええ。全部嘘っぱちだって分かるわ。」

WZ「いや、分かってないな。」

私達は黙って二人を見る。

WZ「少なくとも俺達はお前を慕っていた。

まあ正体が分かっちまったからどうかは知らねーけどさ。
俺達の相談とかも乗ってくれて本当に感謝してたんだよ。

なんで俺達がお前の事を好いてたか分かるか？お前が俺達に良くしてくれたからだよ。

お前の話を聞くと、相手から一方的に愛されたかっただけじゃねーか。
まず自分が愛さないと他の人も愛してくれないんだよ。

まだ人生の半分も生きてねぇだろ？
今ならまだやり直しが効くかもしれない。
だから被害を遭わせた奴らに誠心誠意謝罪して、ちゃんと罪を償え。

そうしたらいずれ幸せが訪れるから。」

ウジが言い終わると、サラン先生は一筋涙を流した。

SR「…そうね。貴方の言う通りよ。

貴方達15人全員に謝るわ。本当にごめんなさい…！！

そしてAさん、本当にごめんなさい。貴方達を私の勝手で巻き込んでしまって。」

サラン先生は土下座してきた。
頭を床にくっつけて、ごめんなさいと連呼していた。

私は…！

「…分かりました。許します。









とはなりません。

私は貴方に人生をめちゃくちゃにされたんです。お母さんは今行方不明だし、お父さんは刑務所行き。

…でも私はここで全てを終わらせなければならない。だから、もう二度と私達の前に姿を見せないで。

そして、遠く遠く離れた場所で、真っ当な人生を歩んでください。」

サラン先生は土下座したまま、

SR「壊してしまった私が言える事じゃないけど…幸せに生きるのよ。」

そう言った。



十分後、警察がやって来てサラン先生は逮捕された。

サラン先生は去り際に、

SR「貴方のお母さんの居場所は、ジョシュアが知ってる。彼に全てを聞いて。」

そう言った。

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