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「無遅刻と無欠席の記録を両方当てる、馬単ならぬ昂輝単もあるけど、どう?」

「昂輝単ってなんかかわいいよな、こうきたん」

「黙れ景星」

こいつら、人が真面目に登校しだせばこれだ。

もう絶対に遅刻も欠席もしない。

「それで昂輝、いつになったら彼女紹介してくれるの?」

「もう何がなんだか・・・」

呆れるも、景星と芽依は比較的真剣な表情だ。

「だってもう、昂輝がまともになった理由がそれ以外思い浮かばないしなぁ。
放課後すぐいなくなるのがミソだよなあ」

「観念しなさいっ。
あんたを変えられるのは、もはや女以外に考えられないのよ!」

「う、うるさいな、あんまり大声出すな・・・」

坂木を盗み見ると、顔を埋める勢いで教科書に食い入っている。

表情は隠れてわからないが、僅かに覗くとその耳は赤くなっていた。

これはいけないと、俺は教室から脱兎のごとくダッと逃げ出す。

それを見て芽依と景星は、ものの見事に釣られてくれた。

ひとまず、坂木の精神衛生は保たれただろう。









「ごめん、坂木。
あいつらは本当にバカなんだ」

休み時間のことについて頭を下げると、坂木はぶんぶんと首を振った。

あの二人め、事実をかすめるような発言をしおってからに。

あまつさえまるで俺と坂木が恋人同士であるかのように言いやがって。

そのせいでいつもの公園、いつもの会なのに、二人の空気はどこかぎこちない。

すると坂木がこんな質問を投げかけてくる。

『内山くん高地保さんと植原くん、仲いいですよね』

「あー、まあそうだね。
数少ない友達ってやつだ。
意外なメンツだろ?」

坂木ら視線を宙空に巡らせた後、親指と人差し指で『C』を作ってみせる。

ちょっと、とのことらしい。

「正直でよろしい」

何事も無気力な遅刻魔と、傍若無人なトラブルメーカー、爽やかな真面目くん。

周りからすれば俺たちは、一緒にいること自体不可思議なのだろう。

「まあ俺も、芽依とこんな仲になるとは思ってなかったな」

その表情だけで、「なぜ?」と思っているのがわかった。

せっかくなので、三人の昔話をすることにした。

「景星は同中で、高校に入っても話し相手ではあったんだ。
腐れ縁ってやつ。
でも芽依とは去年出会った。
その時芽依は景星と同じクラスで、その縁でな」

今となっては懐かしい。

あまり思い出したくないが。

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作者名:ゆん | 作成日時:2018年4月14日 23時

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