四獣の王【usss】 (ページ11)

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「よし！終わった〜！痛くない？」
『あ、はい！ありがとうございます！』

あれからされるがままで、気付いた頃には私の手にはしっかりと布が巻かれていた。
とりあえず手当はしてもらったけど、これから一体どうすればいいんだろうか？

「なぁなぁ！」
『はい！』

1人うんうん唸っていると、坂田様から声をかけられて咄嗟に顔を上げる。
目の前には、引き込まれそうなほど真っ赤に輝く瞳があった。

「君、名前なんて言うん？歳は？どこに住んでんの？見回りしてたうらたさんに連れてこられたって事は外にいたんやんな？外で何してたん？て言うかやまだなんか懐いてたっぽいよな、あいつ警戒心強いのに凄いな！俺なんて懐いて貰うのに3日は掛かったで！あとさ〜」
『あ、えぇっと…』

質問されているはずなのに、こちらに喋らせる暇を与えないくらいの勢いで話し続ける坂田様。
というか、名前と歳は最初に言ったような…
坂田様の勢いに着いていけず、変な相槌しか返せずにいると

「坂田、そのくらいにしとけ」
「あ！うらっさん！やまだもう大丈夫なん？」

いつの間にか入口にもたれかかっていたうらた様に助けられた。
代わりにうらた様があの話術の餌食になっているけど…

しばらくすると一段落ついたのか、お二人がこちらへ歩いてくる。
私は、お二人が目の前に来る前に立ち上がり、しっかりと頭を下げる。

『この度は、命を救って頂いた上に、王直々に手当を施して下さりありがとうございました』
「いいんだよ、俺たちはこの国の王だからな。当然の事をしただけ」
「せやで〜？やからそんなかしこまらんで顔あげてや！」

顔を上げるとお二人とも優しく微笑んでいて、その綺麗な笑顔に自分の顔が熱くなるのを感じて目線をそらす。

「A、疲れてると思うけど今日の事聞かせてもらえるか？」
『あ、はい！私は全然大丈夫です！』
「よかった、じゃあ着いてきて」
『はい！』
「よっしゃ、行こ行こ〜！」
『わっ！』

坂田様に背中を押されながら、うらた様を追って部屋を後にした。