ダズル (Kei)

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「お待たせしました。」

慧「大ちゃん、ゴチになりまっす。」









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買ってきたお昼たちを伊野尾先輩たちに渡す。









伊野尾先輩はヘラっと笑って

有岡先輩に敬礼ポーズ。









それから、パラソルの下で座る私の隣に

ピタリと引っ付いた。









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「せんぱい…」

慧「んー?」









「せまいです。」

慧「うん?それで?」









「もう少し離れてください!」

慧「イヤっす。」









「真顔で言うことじゃないでしょ…」









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グイグイと先輩の肩を押すけど

全然退いてくれない。









肩がピッタリくっついて暑いのに。









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口元を“ム”のに形にさせる私。

それでも先輩は退いてくれなくて。









それどころか、数口食べたフランクフルトを

スライドされてきた。









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「何ですか。」

慧「フランクフルト。」









「…っ、そうじゃなくて!」









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目の前には先輩のかじりかけのあと。









何だろうとマジマジと見ていたら

フランクフルトが口元まで来た。









.









慧「A、あーん。」

「いりません。」









慧「ほら、あーん。」

「…あーん。」









.









クイクイと押されて、

結局頂いたフランクフルト。









かじりかけの所から少し離れた場所に

かじりついた。









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慧「うまい?」

「んぐ…うまいです。」









慧「あはは。Aのラーメンもちょうだい。」

「ん…どうぞ。」









.









頂いたのだから、同じように

先輩に食べかけのラーメンを渡す。









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慧「ずずずっ……」

「もう少しゆっくり食べましょうよ。」









慧「んー…」









.









そんな私たちのやり取りを不思議そうな目で見ている有岡先輩と

目を真ん丸にさせるナツ。









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何か変なとこあった…?









首を傾げる私に、有岡先輩は

ポカンとした顔で言った。









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大貴「伊野ちゃん、Aちゃんと

仲良いんだね…?」









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