第8話 ページ9
「………………」
「………………」
座ってきたくせに話す事がないのか、無言状態が続く。
金田一は相変わらず他の先輩と話している。
その光景をぼーっと眺めていると、
「国見ちゃん」
唐突に、及川さんが話しかけてきた。
「何すか」
「…あの先生とは、まだ続いてるの?」
飲んでたスポドリ吹き出しかけた。
軽く咳き込み、及川さんに目をやると、じっと見てくる。
…ほんと何なんだ。
「……覚えてたんですか」
「まぁね。可愛い後輩の特別な恋愛事情だもん、気になっちゃうよ」
及川さんには、先生との関係が始まってすぐに気づかれた。本当にすぐ。
誰にも言わないでいてくれたけど、よく気にしていたからなんか微妙だった。
「で、どうなの?」
及川さんが話を戻すように聞いてくる。
「……………続いてます」
「そっか」
及川さんは表情を変えず、でも視線は逸らさずに短く言った。
「本当に好きなんだね、あの先生のこと」
「…………。」
俺が答えないでいると、ふっと笑う。
「人を好きになるっていうのはいい事だよ。
その人に必死になれるのも凄く素敵だと思う。」
急になんだ。及川さんは何が言いたいんだ。
「人を好きになるのは自由だ。
でもね、国見ちゃん。
分かってると思うけど、国見ちゃんは生徒、相手は先生。先生には恋人がいる。
国見ちゃんと先生の関係がどんなものか。
これが分からないほど、国見ちゃんは子供じゃない筈だ」
その言葉で、及川さんの言わんとしてる事が分かった。
これは、遠回しな警告だ。
この恋はいけない恋だ、これ以上は駄目だ、
という警告。
「どうするかは国見ちゃん次第だよ。
けど、国見ちゃんを思って言ってるんだよ。
これだけはわかってほしい。」
「………言われなくてもわかってますよ」
そう言うと、及川さんはにっこりと笑って離れていった。
複雑な気持ちを抑え、残ったスポドリを飲み干した。
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ねじる(プロフ) - 舞桜＠毒占欲さん» マジですか!いいですよねファーストレディー!ありがとうございます!!本当に嬉しいですっ、頑張ります!! (2019年11月17日 19時) (
レス) id: 2befed96be (このIDを非表示/違反報告)
舞桜＠毒占欲(プロフ) - え、え!作者様もファーストレディー好きなんですか?私もです!しかもハイキューとコラボなんて最高じゃないですか!国見君の気持ちが痛いぐらいにわかります…… これからも頑張って下さい!! (2019年11月17日 19時) (レス) id: 6a5d77360e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねじる | 作成日時：2019年11月2日 15時
