夏の微睡み ページ43
「あー、涼しい」
エアコンをつけたままにしていた部屋の空気は火照った身体を冷ましていく
太宰は砂漠でオアシスでも見つけたかのように声をあげた
実際そんなところだ、家から一番近いコンビニに出ていただけだが、外気は凄まじく熱く、さながら砂漠だ。本当に部屋がオアシスに感じるほどに
「先にシャワー浴びてこい」
中也は買ってきたものをそれぞれ冷蔵庫に入れながら太宰に声をかける
わかった〜、と太宰は気の抜けた返事をして、洗面所の扉の向こうへ消えていった
まあ、声かけなくても入るだろうな。汗気持ち悪いし
中也の髪も汗でしっとりと濡れている。それが気持ち悪くて太宰がシャワーを浴びるまで、と髪をゴムでまとめる
扇風機の前で特にすることもなく、あぁああぁ〜と声を出していると、足音が後ろから聞こえ、髪をほどかれる
「ちっさい宇宙人さん〜あがったよー」
振り返ると、太宰が髪を拭きながら立っていた。気を使って早めに出てくれたのだろう、それに甘えて、と中也は足早に洗面所の方へ向かった
中也がリビングに戻ると、太宰はソファで伸びていた、これは、あれだ
「…軟体動物」
「それは中也でしょう…蛞蝓」
「うるせえ」
中也はキッチンに足を向け、冷凍庫を開け、先程買ってきたものを取りだし、リビングに戻る
「ほらよ」
「んー」
太宰にもそれを渡し、ピリッと袋を開け中を取り出した。涼しげな水色に目を細める
「やっぱりこんな日のアイスはソーダに限るね」
扇風機を自分の方へ向け、二人でもソファにならんでアイスに口をつける
シャクっと音をたてて口の中へ入ったそれは、味を残してゆっくりと溶けていく
暑い場所で熱いものを食べてスッキリする、とか、暑い所でこそ冷たいものの美味しさを感じる等とよく言うがやはり一番は、暑さでへばった身体を涼しい場所で冷たいものを食べて労うことだろう
「あー」
声に込められた感情はあるのかないのか、自分でもよく分からないが、思わずそんな気の抜けた声を出して、背もたれに凭れて上を向く
咥えていたアイスが溶けないうちに食べ終える
太宰も同じタイミングで食べ終わったようで、ゴミ箱に同時に棒が音をたてて入る
「太宰、ブランケット」
「はいはい」
太宰が渡してきた薄めのブランケットを掛けてソファに凭れかかる
太宰も同様にして、ほう、と息を吐いた
静になった室内、心地よい微睡みの中、僅かな時計の音と、太宰の息遣いだけが聞こえて少しだけ頬が緩んだ気がした
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りんり - 二次オタコミュ障さん» 太中を皆の前でいちゃつかせるの大好きです笑 了解しました！ (2018年9月27日 22時) (
レス) id: 0f7281d890 (このIDを非表示/違反報告)
二次オタコミュ障(プロフ) - 何度目かのリクエストすみませんm(_ _)m 超バカップルな太中で、周りが見てて恥ずかしくなるくらいいちゃいちゃしてる様子を書いて欲しいです！ (2018年9月27日 20時) (レス) id: 39b267f283 (このIDを非表示/違反報告)
りんり - 二次オタコミュ障さん» よ、よかったぁ…毎回本当に素敵なネタありがとうございます！ (2018年9月11日 22時) (レス) id: 0f7281d890 (このIDを非表示/違反報告)
二次オタコミュ障(プロフ) - あぁぁぁ、最高です・・・っ！ (2018年9月11日 20時) (レス) id: 39b267f283 (このIDを非表示/違反報告)
りんり - 二次オタコミュ障さん» 勿論です！リクエストありがとうございます！ (2018年9月7日 22時) (レス) id: 0f7281d890 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんり | 作成日時：2018年3月25日 21時
