甘えた *リクエスト* ページ25
マフィア本部の廊下
太宰が黒の外套を翻して歩けば、皆一様に道を開ける
そんなことは気にも止めず、太宰は自分の執務室へ向かう
今日の殲滅任務もいつもと同じように予定通りに終わったのだが、なんだかいつも以上にすんなりと事が進みすぎて拍子抜けだった
ああ、つまらない。これから向かう執務室でも大量の資料と書類、書き上げなければいけない今日の極めてつまらない任務の報告書が待っていると思うと、今すぐにでも方向転換して河にでも向かいたい
「はぁ…」
溜め息と共に扉を開けると、どん、と体に衝撃が伝わり、黒く大きな目は丸く見開かれた
その目で衝撃の元を確認する
「…どうしたの?中也」
太宰の肩に顔を埋めた中也は返事をせず、その橙の髪だけがさらさらと揺れた
普段ならばあり得ない彼の行動に、太宰も驚いているが、勤めて冷静に微笑むんで中也の頭を撫でる
太宰に回された腕にきゅっと力が入る
「だざい〜」
「なに?」
「…待ってた」
意外な言葉に太宰は固まる
そして数秒後、その顔は花が綻ぶような微笑みに変わった
後ろ手にガチャリと扉の鍵を閉めながら携帯電話を取り出す。連絡先は…
「もしもし梶井君?君だよね?これ」
「あ、太宰さん。連絡しようと思っていたんですよ」
「何飲ませたの?」
「思ったことを何でも話し、行動してしまう薬です。ちょ〜っと極端ですけど。記録はとりましたし、後は好きにしてくださって構いませんよ」
「了解〜じゃあね」
通話を切ってソファへ向かう
太宰が腰を下ろすと、中也はその横にくっつくように座った
「太宰〜」
「なに?中也」
中也は太宰の肩に頭を預ける
「もっと名前呼べ」
「中也」
「ん」
「中也」
「…」
何も言わずに擦り寄ってくる中也の顔は幸せそうに緩んでいる
…なんだこの可愛い生き物。太宰は思わず口許を緩めた
中也は太宰の腕に自身の腕を絡めて此方を見上げる
求めるような顔に、太宰は中也の考えを大方理解した上で問いかけた
「なあに?どうしたの中也」
あまり余裕が無いのを悟られないように微笑む
「キス、してほしい」
その破壊力に太宰は内心悶える
「…駄目か?」
上目遣いで首を傾げられれば、もう我慢は出来ない
太宰は中也をソファに押し倒し、そのままその唇を塞いで激しくキスをする
「んぅ…ふっ…ぁ」
「っ中也が煽ったんだから、覚悟して」
期待する瞳と目を合わせ、首筋に唇を落とした
二次オタコミュ障様リクエスト有り難う御座います!
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りんり - 二次オタコミュ障さん» 太中を皆の前でいちゃつかせるの大好きです笑 了解しました! (2018年9月27日 22時) (レス) id: 0f7281d890 (このIDを非表示/違反報告)
二次オタコミュ障(プロフ) - 何度目かのリクエストすみませんm(_ _)m 超バカップルな太中で、周りが見てて恥ずかしくなるくらいいちゃいちゃしてる様子を書いて欲しいです! (2018年9月27日 20時) (レス) id: 39b267f283 (このIDを非表示/違反報告)
りんり - 二次オタコミュ障さん» よ、よかったぁ…毎回本当に素敵なネタありがとうございます! (2018年9月11日 22時) (レス) id: 0f7281d890 (このIDを非表示/違反報告)
二次オタコミュ障(プロフ) - あぁぁぁ、最高です・・・っ! (2018年9月11日 20時) (レス) id: 39b267f283 (このIDを非表示/違反報告)
りんり - 二次オタコミュ障さん» 勿論です!リクエストありがとうございます! (2018年9月7日 22時) (レス) id: 0f7281d890 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんり | 作成日時:2018年3月25日 21時