検索窓
今日:16 hit、昨日:3 hit、合計:50,731 hit

愛を囁く 中也生誕記念 ページ19

「太宰さん…今日は良いことがあったんですか?」

「いや?…これからある、ってところかな」

「…?」

仕事が終わって街中を歩いているとき、敦が訊ねてきて自分が上機嫌なのに気が付いた

今日は4月29日。彼の誕生日だ

上機嫌になるのも仕方がない、さて、どんな悪戯をしようか、間抜けな顔が見られる物がいい。そして、その後は存分に甘やかしてやろう

なんたって誕生日なんだから

成る程そうか、自分は今日という日に幸福を感じているのだ

一人で納得していると、前方から見馴れた黒帽子が歩いてきた

その肩が何かに気が付いたようにぴくりと揺らし、顔をあげた

蒼い瞳が露わになり、こちらを捉えた瞬間に大きく開かれる

「…太宰」

「やあ、中也」

中也は、嫌なものでも見たかのように顔をしかめる

「っ…ポートマフィアの!」

敦は慌てたように警戒体勢をとる。いくら停戦状態とは言え、気を抜くことは出来ない

「敦くん」

が、太宰に制されて体勢を戻す

「今日くらいは、鍵を開けておいてよ」

「…遅くなったら殺すからな」

「はいはい」

睨み上げるように此方を見つめてくる中也の頭にぽんと手を置く

いい子で待っててね。と言いながらその脇を通りすぎると、うるせえ。とすぐ後ろから返って来て笑みがこぼれた

「えと…太宰さん?」

「何?」

「…何でもないです」






ガチャリ

本当に鍵が掛かって居なかった扉に思わず頬が緩む

中に入ると、中也は既にグラスを傾けていた

「私が来るまで待っていてよ」

グラスを掻っ攫って隣に座る

「先に酔われたらこれを開けられないじゃあないか」

そう言って右手の葡萄酒の瓶を掲げる

「馬ぁ鹿、今日はそれがメインだ。そんなに飲んでねえよ」

「どうだか」

「ああ?」

瓶を引ったくった中也は早速そちらを開けている
自分もグラスを空けてそれを注ぐ

「中也」

「ん?」

「愛してるよ」

その一言に中也は目を見開き、ポカンと口を開けた
そしてその顔はみるみるうちに紅く染まっていく

「ふふっ」

作戦成功だ

後は…

中也の腰を引き寄せ、葡萄酒で艶やかに彩られた唇に口付ける

「んっ…」

美しい蒼が幸せそうに細められる

それを確認して唇を離す

「誕生日おめでとう、中也」

「…ああ」

額を合わせて囁き合うと、中也は太宰の頬にすり寄りちゅ、と接吻を落とした

それに返すように此方からも頬に接吻をする

何度かじゃれ合うように接吻をし合ってから押し倒す

さあ、この特別な日に愛を囁こう

中也生誕記念→←何だかんだ言って皆



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (68 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
49人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りんり - 二次オタコミュ障さん» 太中を皆の前でいちゃつかせるの大好きです笑 了解しました! (2018年9月27日 22時) (レス) id: 0f7281d890 (このIDを非表示/違反報告)
二次オタコミュ障(プロフ) - 何度目かのリクエストすみませんm(_ _)m 超バカップルな太中で、周りが見てて恥ずかしくなるくらいいちゃいちゃしてる様子を書いて欲しいです! (2018年9月27日 20時) (レス) id: 39b267f283 (このIDを非表示/違反報告)
りんり - 二次オタコミュ障さん» よ、よかったぁ…毎回本当に素敵なネタありがとうございます! (2018年9月11日 22時) (レス) id: 0f7281d890 (このIDを非表示/違反報告)
二次オタコミュ障(プロフ) - あぁぁぁ、最高です・・・っ! (2018年9月11日 20時) (レス) id: 39b267f283 (このIDを非表示/違反報告)
りんり - 二次オタコミュ障さん» 勿論です!リクエストありがとうございます! (2018年9月7日 22時) (レス) id: 0f7281d890 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:りんり | 作成日時:2018年3月25日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。