何だかんだ言って皆 ページ18
3人が報告の為に本部ビルに戻った時には既に日が昇っていた
その足で首領の執務室に向かう
「ああー…さっさと報告終わらせて休みたいぜ」
立原がぐぐっと伸びをして言った
「…」
相変わらず銀は何も話さない
「…そういえば、太宰さんって休まなさそうだよな」
「確かに、ちゃんと睡眠しているかどうかも危ういやもしれんな」
そう思わせるほどに太宰は他の人間とは違っていた。勿論、彼も人間だ。しかしそれでも何処かが違っていた
「太宰さんのする人間らしい事…食事位か?」
立原に銀も考えるように首を傾げる
「彼は食事さえ面倒臭がるぞ」
広津の答えに2人は黙り込んだ
「あの人を理解するってどうすれば…」
「我々には不可能だ。あの方逹にしか理解できないものもあろう」
「…」
銀も広津の意見に無言で肯定する
気が付けば大きな扉の前まで来ていた
黒服に名乗り出て扉を開けさせる
と、完全防音性の扉が僅かに開いた瞬間に中からギャーギャーと騒がしい声が漏れだした
「太宰手前!!いい加減にしろ!」
「またこんなにも髪を乱れさせおって!!」
「ほらまた怪我して〜!!」
扉の向こうでは、首領、紅葉、中也が目をつり上げながら怒鳴っていた
その3人の中に居る太宰は、椅子に座ってふて腐れたような顔をしている
首領は白衣姿で太宰の横に膝をついて足に包帯を巻き、紅葉は後ろに立って髪に櫛を通しているが、その顔は子供を叱るときのそれだ
そして中也は太宰に向き合いネクタイを締め直している
その異様な光景に3人は目を見開いて停止した
「…え?」
立原の小さな呟きは、3人の声に掻き消される
「ああ、折角綺麗な黒髪が…毎回毎回お主は整えもせずにそのまま川を流れおって!傷むじゃろう!」
紅葉はガミガミと美しく朱で彩られた口を動かしながらも、手つきは優しく髪を梳く
「全く、太宰君は…毎日いくつも傷をつくってくるんだから、駄目じゃあないか!」
首領も、もおおお、と怒りながら、丁寧に包帯を足に沿わせている
「…ごめんなさぁい」
いじけたように言う太宰の首を中也は
「手前は!何時も!人に迷惑ばっかかけやがって!」
ぎゅうううっとネクタイで締めている
「止めて、中也…」
うぐ、と苦しそうにしながら太宰が言う
「うるせえ!…ったく任務行くぞ」
中也はネクタイを結び直して襟を整え、優しく頬をつねった
「ん〜…」
「…何だかんだ言って皆太宰さん大事なんだな」
「そして彼も人間だな」
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りんり - 二次オタコミュ障さん» 太中を皆の前でいちゃつかせるの大好きです笑 了解しました! (2018年9月27日 22時) (レス) id: 0f7281d890 (このIDを非表示/違反報告)
二次オタコミュ障(プロフ) - 何度目かのリクエストすみませんm(_ _)m 超バカップルな太中で、周りが見てて恥ずかしくなるくらいいちゃいちゃしてる様子を書いて欲しいです! (2018年9月27日 20時) (レス) id: 39b267f283 (このIDを非表示/違反報告)
りんり - 二次オタコミュ障さん» よ、よかったぁ…毎回本当に素敵なネタありがとうございます! (2018年9月11日 22時) (レス) id: 0f7281d890 (このIDを非表示/違反報告)
二次オタコミュ障(プロフ) - あぁぁぁ、最高です・・・っ! (2018年9月11日 20時) (レス) id: 39b267f283 (このIDを非表示/違反報告)
りんり - 二次オタコミュ障さん» 勿論です!リクエストありがとうございます! (2018年9月7日 22時) (レス) id: 0f7281d890 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんり | 作成日時:2018年3月25日 21時