彼らの日々

素直になって ページ12

ドゴォンッ

破壊音が響き土煙が上がる。建築物は半壊した

窓ガラスが割れ、壁が抉られ、息絶えた人間がへこんだ床にめり込んでいる

其れには目もくれず歩いていく夕焼け色の頭

彼は目当ての扉の前で立ち止まり、靴の底でその扉を吹っ飛ばした

部屋の中には男が１人、此方を眺めて立っていた

「僅か５分でここまで…流石はポートマフィア幹部だ」

「手前がこの組織の長か」

ゆっくりと部屋に入ってきたのは夕焼け色の髪をしたポートマフィア幹部…中原中也だ

彼は表情を変えることなく口だけを動かして分かりきったことを確認するように言い、言葉が男に届く頃には床を蹴っていた

一瞬で目の前に迫られた男は…笑っていた

中也は目を見開く。何だ、何がある、頭脳をを回転させ始めたときには目の前の男は己の拳によって後方へ飛んでいた

「ククッ…クックックッ…」

壁に凭れて座り込む男から笑い声が聴こえる

「手前…何をした」

「俺の異能力は、触れた人間に自白をさせる。矢張情報はポートマフィアにも回っていなかったようだな…取り押さえろ!!」

男の声で出てきたのは、40、いや、50はいるだろうか、先程捻り潰した奴等より幾分か重装備の男達だった

「…自白の異能でポートマフィアの情報を吐かせるってか。悪くねえ…だが」

中也の足元にびきりと大きくヒビが入る

「甘えな」

飛来してきた弾丸を身一つ動かさずに弾いて、男達を殴り飛ばし、蹴り飛ばして一掃する

ただ１人その部屋で立っている中也は、未だ壁に身を預けるリーダーの元へと歩いていく

「馬鹿な…有り得ん」

「残念ながら有り得るんだな此れが」

僅かに笑いながら答えて拳を放った中也に、話しかけるものはもういなかった

素直になって→←探偵社にて

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す