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路地を歩く三つの小柄な姿。
太宰、修治、中也だ。
太宰兄弟と中也の間には常に五米ほど距離が保たれて歩いているので、連れだなんて誰も思わないだろう。
「兄さん、綾取りは立ち止まってしないと転ぶよ?」
「で、も……あと、ちょっ…とで、でき…そ、う……うわ!」
「ほーら…………」
どさりと転ぶ修治。
その姿は何処をどう見ても9歳の子供だった。
「なァ、そいつ本当に大人か?餓鬼じゃねぇか。それとどこ行くかくらい教えやがれ」
「いい天気だなあ。いい天気すぎて妖精さんの声が聞こえるなあ。ね、兄さん」
「そうか?中也の声しかきこえないぞ?……治はすごいな」
本気で尊敬の眼差しを太宰に向け、キョロキョロと辺りを見回す修治。
こいつ頭大丈夫か?
「巫山戯んな。俺の声に決まってんだろ阿呆」
「……そうか、つかまえようとおもったのに…。あと中也、俺はしょうしんしょうめいの21才だぞ。大人だ」
「兄さん!それ以上中也君と話してると身長が縮んじゃうよ!ほらお口チャック!」
「!?!?…………!!!」
急いで莫迦正直に口を手で押さえ、空気が口から入らず若干苦しそうな阿呆に本気で腹が立ち、怒鳴る。
「縮まねぇよ!どんな病気だ!!」
「ぷは……。ちょっとくるしかった」
「ちゃんと空気吸わなきゃ。ほら僕だって呼吸で忙しいもの」
「手前ェは俺と話したくねえだけだろ巫山戯んな糞野郎!」
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ロト - よみさん» コメントありがとうございます。面白いと言っていただけてとても光栄です。続きが気になる作品だったなんて本当に嬉しい誉め言葉です。ありがとうございます! (2020年1月7日 13時) (レス) id: 84710b8cd8 (このIDを非表示/違反報告)
よみ - 受験頑張って下さいね。とても、面白くて、続きが気になる作品だと思っているので、早く二月になれ!っと祈りながら、更新お待ちしております。 (2020年1月6日 17時) (レス) id: 587f0ad974 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロト | 作成日時:2019年8月1日 18時