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拾陸頁 ページ16

不機嫌そうに周りをきょろきょろと見回し、自分を無理矢理起こした音が戦闘によってもたらされた物だと理解したであろう瞬間。



「おはよう、治。けがしてないか?だいしょうぶか?中也、すごいな」


弟の怪我の心配をして、素直に中也のことを褒めた。


「……っ!ぇ、あ。起きたの、兄さん。おはよう。怪我してないから大丈夫だよ」


おかしい。

太宰修治は、眠っている時無理矢理起こされるといつもなら泣いてしまうのだ。

それはもう、手がつけられなくなるほど盛大に。


「………?どうかしたか?」


「否、兄さんの目覚めが良いなぁって。……寝てなかったでしょ」


「ん、ばれたか。治ならわかるな?」


「うん。まあね」


十中八九、中也君の戦闘能力を見るためだろう。

中也君の戦闘能力を計るのに丁度いい敵が居て、そして万が一の異能無効化の僕が居る。

余計なものは修治兄さん自身の戦闘能力の高さだけ。



それなら、自分から戦闘が出来ないの状態になればいい。


「終わりだ。襲撃の目的を教えろ」


いつの間にか戦闘音は止み、静かになった庭に中也の声とカチカチと云う弾倉が空になった小銃の軽い音が響く。


「«荒覇吐»について知ってる事は?何故マフィアの準幹部を狙った」


「くそ……お前みたいなガキに……!」


中也は自身を睨み、予備拳銃を抜いて構える敵に表情すら変えずに云う。


「やめとけ、銃は仕舞ってろ。どうせその怪我じゃろくに中りゃしねえ。撃つだけ危険だ」


「死ね……!」



乾いた銃声が響いた。



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ロト - よみさん» コメントありがとうございます。面白いと言っていただけてとても光栄です。続きが気になる作品だったなんて本当に嬉しい誉め言葉です。ありがとうございます! (2020年1月7日 13時) (レス) id: 84710b8cd8 (このIDを非表示/違反報告)
よみ - 受験頑張って下さいね。とても、面白くて、続きが気になる作品だと思っているので、早く二月になれ!っと祈りながら、更新お待ちしております。 (2020年1月6日 17時) (レス) id: 587f0ad974 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ロト | 作成日時:2019年8月1日 18時

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