隠されてる ページ16
銀島side
翌日、四限の授業が終わって皆がお昼を食べ始めて、学校がザワザワとする頃、
銀島「あれ、A帰んの？」
ちらりと横目で見たAは、部活指定のスポーツバッグを持って居た。
お昼の時間帯にはあまりにも不自然で、俺は思わず問いかけた。
A「うん！今日病院やねん！」
治「どっか悪いん？」
俺とAの間の席に座る治が、早速おにぎりを頬張りながらAにそう聞いた。
A「ん〜、ちょっとね〜」
Aは言葉を濁して「じゃあお母さんが校門で車で待ってるから、行くな！今日はごめんやけど部活行けへん！北さんにはちゃんと言うてあるし！」と言ってそそくさと去って行った。
銀島「A、健康そうやのにどっか悪い所あるんかなぁ」
治「さぁ…？生まれつきの持病とかあるんちゃう？」
銀島「ああ、居るよな、成長するにつれて治っては来るけど時々検査行かなあかんやつやんな？」
そう決定づけたらすんなりと納得ができたので、そのまま俺は治と食堂へ向かった。
・・
Aside
A「＿＿＿夢を、見るんです。」
消毒液の匂いがする、数ヶ月前にも嗅いだ、馴染みのある香り。
目の前にはいつも私のメンタルケアを担当してくれている、吉井先生が座っていた。
吉井「そっか、最近は見なくなってたのになぁ…」
A「ほんとに、なんの前触れも無くって、
その日は、寝るのが怖くてちょっと睡眠薬を多めに飲みました、すみません…」
吉井「怖くなるのはもちろん分かるよ、
多めに飲むんも、飲みすぎたら朝体動かへんくなるから、ちゃんと私が言うた分だけ飲んでね
大丈夫、先生はいつもAちゃんの味方やで」
優しくて暖かい手が私の震える手を大きく包んだ。
「…先生、私達はいつまで、こんな風に苦しまなあかんのでしょう……」
隣に居た母が苦しそうにそう言った。
お母さんは何も悪くないのに
そうやって、私の周りの人達はいつも悲しそうな顔をして、私に謝ってくる。
皆は何も悪くないのに。
悪いのは、「あいつ」なのに。
吉井「深くついたAちゃんの傷は、そう簡単には癒えません。
私も全力を尽くしますが、今はまず、当たり前の生活に慣れていくことが大切です」
吉井先生の暖かい声が、耳にスッと溶けていった。
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太宰亜里沙(プロフ) - さっくっさくしたさくりさん» ありがとうございます！そんなふうに言っていただけて嬉しいです！ (2020年12月24日 20時) (
レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
さっくっさくしたさくり(プロフ) - そういうことか、、！日記がところどころひらがななのもん？ってなりましたし、読みながら夢主ちゃんの過去を推理するのもとても面白かったです！！ちなみにめっちゃ泣きながら読んでました() (2020年12月24日 18時) (レス) id: 3f7f9b4577 (このIDを非表示/違反報告)
太宰亜里沙(プロフ) - 夜桜さん» 嬉しいです！ありがとうございます！お時間があればぜひ、見返してみたりもしてみてください〜〜！！！ (2020年6月4日 19時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - わあああ。ものすごく面白かったです！けど、日記のやつ、なんかありそうだけどわかんないいいい。平仮名で書いてるところかなーって思ったけど、単細胞の私にはわからなかった！話ずれましたが、とても面白かったです！これからも応援してます！ (2020年6月4日 19時) (レス) id: 527f5d1e86 (このIDを非表示/違反報告)
太宰亜里沙(プロフ) - はちみつあめさん» そう言って頂けてとても嬉しいです！最後まで見て下さりありがとうございました！！ (2020年6月4日 18時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：太宰亜里沙
| 作成日時：2020年5月11日 21時
