隠すな ページ14
侑side
皆で自主練でサーブを練習している時、それはたまたま視界に入った。
''Aってさ、倉庫の中入った事ないんじゃない?''
角名のその言葉がふと頭をよぎった。
Aは倉庫の前で、カチリと固まって動こうとしていなかった。
他の奴らは気づいてへん
俺はAの元に転がったボールを取りに行くついでに声をかけに行くことにした。
5月やし、虫だってよお出てくる時期になる。
Aが虫嫌いなんは知ってるし、今回も虫がおるから倉庫の中に入れへんって理由でも、充分不自然やない。
けど、なんや、この胸騒ぎは
Aに今の光景は、どうゆう風に見えとんねん
俺はそっとAの肩に手を置いた
侑「A、倉庫になんかあんの?」
A「ひっ!」
できるだけおどかさないように優しめの声で言ったつもりやった。
Aは盛大に肩を揺らし、俺に今まで見せたことの無いような瞳で俺を見てきた。
恐怖
侑「あ、すまん!おどかすつもりはかった!」
A「…あ、こっちこそ、ごめん…」
Aは力の無い笑顔を俺に向けて、倉庫からそそくさと離れて行った。
俺の全神経が言うてる
Aに声をかけなあかんべきやと
侑「__なぁ、A、倉庫怖いんか?」
そう聞くと、Aは背中を向けたまま立ち止まった。
A「……うん、怖いよ
皆にはみえへんもん、私は見てるから。」
Aは哀しそうな、でも優しい瞳をこちらに向けてそう言った。
俺らその瞳に、酷く吸い込まれるような感覚に陥った
俺らには見えへんもん。
なんとなくやけど、幽霊とか、そうゆうんじゃない事だけはわかった。
Aはあの倉庫越しに、
過去を見てる。
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太宰亜里沙(プロフ) - さっくっさくしたさくりさん» ありがとうございます!そんなふうに言っていただけて嬉しいです! (2020年12月24日 20時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
さっくっさくしたさくり(プロフ) - そういうことか、、!日記がところどころひらがななのもん?ってなりましたし、読みながら夢主ちゃんの過去を推理するのもとても面白かったです!!ちなみにめっちゃ泣きながら読んでました() (2020年12月24日 18時) (レス) id: 3f7f9b4577 (このIDを非表示/違反報告)
太宰亜里沙(プロフ) - 夜桜さん» 嬉しいです!ありがとうございます!お時間があればぜひ、見返してみたりもしてみてください〜〜!!! (2020年6月4日 19時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - わあああ。ものすごく面白かったです!けど、日記のやつ、なんかありそうだけどわかんないいいい。平仮名で書いてるところかなーって思ったけど、単細胞の私にはわからなかった!話ずれましたが、とても面白かったです!これからも応援してます! (2020年6月4日 19時) (レス) id: 527f5d1e86 (このIDを非表示/違反報告)
太宰亜里沙(プロフ) - はちみつあめさん» そう言って頂けてとても嬉しいです!最後まで見て下さりありがとうございました!! (2020年6月4日 18時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:太宰亜里沙 | 作成日時:2020年5月11日 21時