隠すって、 ページ19
Aside
A「皆にもさ、きっと譲れへんもんがあるから私にこうやって言ってきたり変な嫌がらせしてくるんやろ?
でもな、私にも譲れへんもんくらいあるで
別に私はバレー部の誰かと付き合うとか思ってないし、恋愛感情だってないから、安心して皆のファンやっててええよ」
私がそう言って微笑むと、苦虫を潰したような顔をして「もういいや、行こ、」と言って皆は去って行った。
皆はええなあ。きっと、私みたいな思いせんとここまで生きてきたんやろうなあ。
A「____いーなあ…」
思わず零れたその言葉に、私は気付かないふりをして作業を再開した。
・・
×年前_______
最後にみた景色は、覚えていない。
耳で数少ない情報を掴もうと、全神経を聴覚に集中させる。
ずっとずっと静かで、遠くからチチチ、と鳥の鳴き声が聞こえた。
どうやら私は死んではいないらしかった。
声を出したくても、くぐもった声しか出せない。
だんだん恐怖だけが心を侵食していくだけで、自分が置かれている状況は何ひとつ理解出来ずにいた。
私は自分の状況を考えるのをやめて、最後に見た景色を思い出すことにした。
あれは確か、下校中
部活は引退して、下校する時間は明るい時間帯だった。
友達と話しながら帰って、別れ道で住宅街を歩き進んだ。
私の記憶はそこで途切れる
多分それが、私の最後の記憶だ
こんな状況なのによく冷静にこんな分析ができるなあ、と自分でも驚いた。
無理やり心を落ち着かせていた時、
ガチャ、と扉のようなものが開く音がして、私は盛大に肩をびくつかせた。
「こんにちは、あ、起きたんだね」
聞こえてきた声は、知らない男の人の声だった。
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太宰亜里沙(プロフ) - さっくっさくしたさくりさん» ありがとうございます!そんなふうに言っていただけて嬉しいです! (2020年12月24日 20時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
さっくっさくしたさくり(プロフ) - そういうことか、、!日記がところどころひらがななのもん?ってなりましたし、読みながら夢主ちゃんの過去を推理するのもとても面白かったです!!ちなみにめっちゃ泣きながら読んでました() (2020年12月24日 18時) (レス) id: 3f7f9b4577 (このIDを非表示/違反報告)
太宰亜里沙(プロフ) - 夜桜さん» 嬉しいです!ありがとうございます!お時間があればぜひ、見返してみたりもしてみてください〜〜!!! (2020年6月4日 19時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - わあああ。ものすごく面白かったです!けど、日記のやつ、なんかありそうだけどわかんないいいい。平仮名で書いてるところかなーって思ったけど、単細胞の私にはわからなかった!話ずれましたが、とても面白かったです!これからも応援してます! (2020年6月4日 19時) (レス) id: 527f5d1e86 (このIDを非表示/違反報告)
太宰亜里沙(プロフ) - はちみつあめさん» そう言って頂けてとても嬉しいです!最後まで見て下さりありがとうございました!! (2020年6月4日 18時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:太宰亜里沙 | 作成日時:2020年5月11日 21時