青い城から捨てられた。【青葉城西】

ご ページ6

Aside





いつも通り練習を記録して、いつも通り片付けをして、今日は居残り練には参加せず、規定練習を終えて制服に着替えた。






いよ「じゃ、お先に失礼しまーす！」







A「うん、お疲れ。」






部室を再度見渡すが、やはり綺麗にされていない。



マネージャー専用の部室はないので、女子が部室を使っている時は「女子使用中！」というプレートを扉の外側にかけておく。




私はもう着替えは終わっているので、プレートを外して部室の片付けをしていた。





すると、二軍の1年生部員が4人程部室に入ってきた。






「あ、Aさん、ここで作業してたんすね」




「ちわーっす」







この4人は結構やんちゃで有名だ。

バレーは熱心だから、誰も咎めないけれど。







A「あ、4人はもう着替えるの？


なら私、邪魔だね、退くね」





私は片付けの後始末をして、そそくさと部室を出ようとした。



この4人は、いよちゃんの事をすごく慕っている子達で、多分、私のことをあまりよく思っていない。





だから怖くて、早口で出ていこうとした。








「そーいえばAさん、いよちゃんにばっかドリンク作り押し付けてません？」





「たーしかに、先輩サボりっすか？笑」






「もーマネージャーやめたらいいのに笑」







「俺らにはいよちゃんさえ居たらいいんで







Aさんは要らないっすよ」









要らない。









その言葉が、どれ程のダメージになるか、思ってもみなかった。



A「ご、ごめ、……」







上手く言葉が出なくて、私は部室を飛び出した。




部室からは1年の笑い声が聞こえた。







いや、いやだ



捨てられたくない捨てられたくない捨てられたくない









涙で視界が歪み、前が見えなくなるが、無我夢中で走り出した。


要らない。


その言葉が脳でリピートされ続ける。







刹那、誰かと激しくぶつかり、後ろに尻もちを着いてしまった。




A「………ぃた、……」






すみません。



それが喉から出てこない。





岩泉「A！？大丈夫か！？」







A「……い、岩泉、さ、」





ぶつかったのは岩泉さんだった。
岩泉さんは顔を上げた私が泣いているのを見てぎょっとした。




岩泉「な、なぁ、A、誰かになんか言われたか？」





図星をつかれ、私は岩泉さんを避けて走り出した

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