青い城から捨てられた。【青葉城西】

にじゅうきゅう ページ30

及川side









及川「＿＿＿＿＿＿A、ちゃん？」






俺が声を振り絞ってそう言うと、Aちゃんは俺の肩を掴んで必死に叫んだ。









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A「この6日間！！倒れてしまって本当にすみませんでした！！



ドリンクは誰が作ってましたか？


鍵の管理は？記録は？


体育館はちゃんと及川さん達が来る前に開いていましたか？



ごめんなさい、私が倒れたから、皆さんに多大なる迷惑をかけてしまって……







分かってるんです、私がここにもういらないことくらい。







…………でも、まだ、ここにいさせてくれませんか、







私、なんでも、しますから＿＿＿」









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俺は胸が張り裂けそうだった









大切な子に、こんなに辛い思いをさせてしまっていたんて









こんなにも君を、ここに縛り付けてしまっていたなんて









及川「＿＿＿＿Aちゃん、辛かったよね。








助けてあげられなくて、ごめん。」









俺は初めて、彼女に謝罪をした。







彼女は驚いたような、何が何だかわからないような顔をした。







A「……なんで及川さんが謝るんですか？




悪いのは、部の和を守れなかった、私です。」









あぁ、駄目だ。









この子は壊れている。








この子を、こんな風に壊してしまったのは俺達だ。









及川「Aちゃん、違うよ。


悪いのは俺なんだよ。君が苦しい思いをしてることを知っていて、見て見ぬふりをした。


いよちゃんはもう部活を辞めた。二軍の一年も、こっぴどく叱っておいた。









もう、Aちゃんを苦しめるものは何も無いよ。









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いつもありがとう。」









ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ




Aside









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及川「いつもありがとう」









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この言葉が、私の心の中にすぅっと溶けていくのを感じた。








やっとわかった。









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私は、この言葉が欲しかったんだ。

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