【文スト】素直じゃない兄【太宰】

３.手前の妹ォ！？ ページ4

「は！？此奴、手前の妹なのか！？」

「だからそう云ったじゃないか」

部外者と勘違いをし、Aの後頭部を思い切り殴りつけた中原は声を荒らげる。

驚きを隠せずにいる中原は、Aに近付く。

顔に掛かっている髪を耳に掛けて、まじまじと見つめる。

「あー…面影あんな…」

「ちょっと似てるか…？」ぶつぶつと呟きながら、するりと頭を撫でる。

それを見ていた太宰は、判らないくらいに眉を寄せた。

Aの頭を撫でている中原の手がパシッと払われた。

驚いたように顔を上げると、不機嫌そうな顔をした太宰がいた。

「は…んだよ、急に」

「別に？血縁者に触られているのを見ていたら、まるで私まで触られている気分になったのだよ」

「あ？じゃあ見なきゃ善いだろ」

不満そうに顔を歪める中原を横目で見た。

「こんな邪魔なモノが転がっていれば、嫌でも目につくのだよ」

「仕事の邪魔だ」Aを仰向けにさせ、横に抱えた。

所謂(いわゆる)姫抱きだ。

兄妹という事もあり、顔の好い２人は絵になる。

Aの顔に傷が付いているのが勿体無い。

それに腹を立てながらも中原も立ち上がる。

「感覚は繋がってねェだろ」

「そりゃあそうさ。こんな子と繋がっていれば、疾(と)っくの昔に自 殺に成功している筈だよ」

そう云いながら歩き始める太宰。

構成員も処理に取り掛かる。

遠のいていく太宰の背中を見つめながら、ぼそりと呟く。

「"こんな子"って云う割りには大事そうに抱えてんじゃねェか」

４.兄さんの相棒…→←２.仕事中の兄にはご用心

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