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番外編―1,000hit記念!!(続きは1,500hit) ページ22

お陰様で1,000hitいきました!

その記念として、番外編を書かせて頂きます!

******

私は今、目の前の男の子に困惑している。

子供特有の無垢な目、という訳では無いけれど、相手が相手だ。

「そ、その姿、どうしたの?…兄さん」

そう、私の実兄である太宰治なのだ。

齢は7〜9といったところか。

「多分、数分前に飲んだ水に何かが入っていたのだろう」

幼児化させる薬…若しや梶井が開発したのか!

私の兄さんを実験台にするとは…いい度胸だ。

「待ってて、兄さん!今から梶井をとっちめてくる!」

「待ち給え」

くんっと服を引っ張られ、直ぐに立ち止まる。

「え、何?」

「中身は変わってなくとも、心は幼児なのだよ?独りにされては寂しいじゃないか」

不満気に頬を膨らまして私を見上げていた。

可愛さの暴力、爆発的な可愛さ、幼児化兄。

「兄さん、死んでもいいです」

「わあ、熱烈な告白だね。でも要らないかな」

「ほら、してよ」手を広げてきた兄さんが、何を要求しているのかが直ぐに判った。

抱っこだ。

私は迷いもなく抱え上げた。

嬉しそうに腕を頸に回してきた兄さんは、私の肩に頬を擦り付けた。

あまりの可愛さに悶絶するが、叫ぶのを我慢する。


廊下を歩いていると、前から中也さんが来た。

私達を見ると、腹を抱えて笑い出した。

「ははははは!!何だよ太宰!その格好!!情ねえ!」

「煩いよ帽子置き場!君に構っている暇は無いのだよ。
そこを退き給え!」

対抗するように声を荒らげるところを見ると、精神が共に幼児化したみたいだ。

「中也さん、見ての通り大変な事になってるんです。
私は構いませんが、兄さんの仕事に支障が出てしまいます。ここはどうか、ご協力を」

「あー…笑った笑った。はぁ、確かに仕事に影響が出るのは困るな。どうせ梶井だろ?任せとけ」

そう云うと外套を翻(ヒルガエ)して歩き出した。

「俺が捕まえてくる。その間、手前等は今を楽しんでろ」

手をひらひらさせながら去っていった。

「はあ…じゃあ、そうしましょうか」

「……A、私の事…いや、何でも無い」

何かを云いかけた兄さんは、何かに怯えているように見えた。

そして、質問の意図も何となく判った。

『私の事、どう思ってる?』

これは、元の兄さんが気になっている事だから、元の兄さんに答えるべきだ。

だから今は、強く抱き締めるだけにした。

私はそのまま、自室に移動した。

20.君のことは…/私のことは…→←19.「諦め」と「覚悟」



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オタクなめんな - すっごく面白かったです。映画でも見ているよな感じでした。 (2018年8月15日 3時) (レス) id: edf769ece4 (このIDを非表示/違反報告)
入浴(プロフ) - ゆきみだいふくさん» 有難う御座います!喜んで貰えたようでこちらも嬉しいです! (2018年3月26日 19時) (レス) id: d6f7c6ac49 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみだいふく(プロフ) - 完結ですね!おめでとうございます!!大好きな太宰さんの色々な面が見られて嬉しかったです! (2018年3月26日 18時) (レス) id: 5f17ef063a (このIDを非表示/違反報告)
入浴(プロフ) - きのさん» 良かったですw私的には成功です! (2018年3月26日 16時) (レス) id: d6f7c6ac49 (このIDを非表示/違反報告)
きの(プロフ) - 泣ける (2018年3月26日 12時) (レス) id: e253f59a3b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:入浴 | 作成日時:2018年2月26日 16時

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