１０.これは何だ…？ ページ12
これは、過去の話だ。
いつも通りに、部下の任務の後片付けに足を運んだ。
地面に転がる弾丸、そして、金属が溶けたような液体が
転々と落ちていた。
特に何も思わなかったが、今思えば不思議なものだ。
液体など、血液以外は有り得ないはず。
なら、これは何だ？…とね。
「今日も無傷…そのくせ、やはり取り逃したね」
「すみません…」
相手が消えていったであろう道の先を呆然と眺めていたAに声をかける。
これまで、1度も任務に成功したことはない。
最も使えない部下だ。
「はァ…君ほど使えない部下は見たことがない。
何でまだ居るんだい？」
「…すいません」
さらに謝ることしか知らない。
どうせ心中では「使えないなら殺してくれればいいのに」とか考えているんだろう。
［私の妹なんだ。
役に立たない訳がない。
もっと本気を出し給えよ］
「もういい、下がれ」
視線を下に落としたままのAは、黙って道を戻った。
首領は敢えて失敗しても問題ない任務をAに回している。
だからか、処罰しようとはしない。
もう一つは、"太宰治(私)の妹"という理由だろう。
「くだらない。使えない部下は要らないんだけどなぁ…
ん？これは…」
さっきまでAが立っていた場所だ。
其処は"泥沼のように溶けていた"。
「うっわ…何これ。あの子ってばどんだけ暑苦しかったの？」
いや、暑苦しいものか。
女性は皆が華である。暑苦しい華など無い。
近くに落ちていた空の銃の先でつついてみると、
固まりかけのようにどろりとしていた。
「……いや、怖っ」
大して興味は無かったため、調査はしなかった。
これは異能だ。
変化した後では私の異能が効かない異能だ。
故に、転々と落ちていた液体はAを狙った弾丸だ。
Aの身を抉る前に、液体へと変化されたのだ。
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オタクなめんな - すっごく面白かったです。映画でも見ているよな感じでした。 (2018年8月15日 3時) (
レス) id: edf769ece4 (このIDを非表示/違反報告)
入浴(プロフ) - ゆきみだいふくさん» 有難う御座います！喜んで貰えたようでこちらも嬉しいです！ (2018年3月26日 19時) (レス) id: d6f7c6ac49 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみだいふく(プロフ) - 完結ですね！おめでとうございます！！大好きな太宰さんの色々な面が見られて嬉しかったです！ (2018年3月26日 18時) (レス) id: 5f17ef063a (このIDを非表示/違反報告)
入浴(プロフ) - きのさん» 良かったですw私的には成功です！ (2018年3月26日 16時) (レス) id: d6f7c6ac49 (このIDを非表示/違反報告)
きの(プロフ) - 泣ける (2018年3月26日 12時) (レス) id: e253f59a3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：入浴 | 作成日時：2018年2月26日 16時
