死神と包帯野郎の共同生活２【太宰治】

共同生活 五十八日目 ページ11

太宰「え…
も、元々 透けてた訳では…？」

『…ないです』

太宰「じゃ、じゃあ、なんで…」

『…寿命、とでも言っておきましょうか』

太宰「理由が分かるのかい？」

『えぇ。』

太宰「お、教えてくれ給え」

『…死神には、１つだけルールがあるんです。
それは、
【２ヶ月以内に魂を冥界へ運ばないと
その死神は消滅する】』

太宰「Aが私のところに来て…
もうすぐ２ヶ月…！」

『そういう訳です』

太宰「…待って。
じゃあ、君を私のところに派遣した人は
Aを消滅させようとしてるってこと？」

『何故です？』

太宰「だって、私を守っていたら
優に２ヶ月は超える。
それを分かって、Aを派遣したとしたら…」

『それは…違います』

太宰「何故、そう言い切れるんだい？」

『…私が、自ら消えようとしてるからです』

太宰「え…どういうこと？」

『以前、私が上司と電話をしていた時がありましたよね？
その時の電話は
【自 殺者が1人死なずに済んだ。
だから、今お前が守っている奴は死んでも大丈夫だ】
という内容でした』

太宰「じゃあ、もう私を守っている意味は？」

『…本当は無いんです。
でも…私には、無理です。
太宰さんを見殺しにするくらいなら…



消えた方が良いと、思いました』

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