とびきり甘い軟禁生活を貴女に。【文スト】

Act.4.5《庇護欲─太宰side─》 ページ8

「太宰君。明日、Aちゃんを連れてき給え。」




その言葉を聞いたとき、全身の血が逆流するかと思った。
大事に大事にしている、愛しい少女。

誰の目にも触れさせたくなどないのに。


「……何故でしょう、首領。」

「エリスちゃんがどうしても会いたいと言ってきかないんだよ。…いいね？」


エリスとかいう幼女が私の大事なAに会いたい、だって？

Aのポートマフィアでの人脈はある程度広いことは知っていた。

しかし、幹部の力を使って彼女から離れさせ、首領に同居の許可まで取れば完璧だと思っていたのだが……。


「分かりました。Aに伝えておきます。では、失礼します。」


対策を考えなければと踵を返して帰ろうとしたその時、後ろから呼び止められた。


「一寸待ち給え。太宰君、部下達に彼女に関わらない様に言ったそうじゃないか。」

「……………。失礼します。」


首領の言葉に答えることもなく首領の執務室を出る。

Aとの関係に口出しをされる覚えはない。



彼女を見つめるのは私だけでいい。
彼女が見つめるのは私だけでいい。



早く帰らなくては。
Aが私の事だけを考えてくれているだろうから。

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