とびきり甘い軟禁生活を貴女に。【文スト】

Act.4《依存》 ページ7

引っ越してからというもの、仕事は全て太宰さんが持ってきてくれた。


『此の書類には印鑑、要りますか？』

「ううん、必要ないよ。此処にサインするだけでいいからね。」


此処で生活を始めてから1週間。
相変わらず、太宰さんは優しい。
何時だって私を気遣ってくれる。



けれど、部屋から出ることだけ許してはくれない。
私はこの1週間、部屋から出ることなく生活していた。


「ねえ、Aちゃん。明日、ポートマフィアのビルに行かないかい？」

『外出、するのですか？』

「首領直々のお呼び立てでね、仕方ないみたいなんだ。大丈夫、私が傍に付いているから。」


そう言い、少し不安そうな顔で私を抱き締めてくれた。

太宰さんは気が進まない様に見える。

部下達の件、気にしてくれているのだろうか。



──翌朝

私は太宰さんと共に、ポートマフィアのビルへ向かった。

道は通勤や通学する人でとても混雑している。

太宰さんは其れに苦戦している私をみてくすりと笑った。


「全く…仕方ないね。」


そう言うと、私の手をとって再び歩き出した。

握られた手は少し痛いくらいだった。

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