とびきり甘い軟禁生活を貴女に。【文スト】

Act.2.5《独占欲─太宰side─》 ページ4

コツ、コツ、コツ───



あの子を執務室に残したまま首領の処へ向かった。
さっきまで抱き締めていた腕に、まだAの柔らかい感触が残っている。


上手く、いったな。


初めて彼女を見かけたときから、ずっと自分のものにしようと思っていた。

それは独占欲としか言いようがない、どろどろとした執着心だろう。

あの愛らしい瞳が、私だけを映したのなら。
あの澄んだ声が、私の名だけを呼んだのなら。



他に要るものなど、この世にあるのだろうか。



１人ちょこんとソファーに座る愛しい少女の姿を思い浮かべただけで、笑みが零れる。

彼女は人好きのする性格だから、多くの人に好かれている。
だからこそ、１人にした。

マフィアは所詮上の命令は絶対の組織だ。
幹部である私が、「Aに関わるな。」と言えばそれまで。

Aは私だけしか、頼る人が居なくなる。



今も私の事を考え続けているのだろうと思うと、胸が高鳴って仕方がない。

あの子は賢いから、少しは勘づいているかもしれないが。

それも私が躾ればいいこと。



もうすぐでAは私のものになる。
真っ白な小鳥を私の色で染め上げる。

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