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Aside
それ相応の担保。
それなら……
『俺のユニーク魔法でどうだ。それか＿＿＿＿＿＿
アズールは目を見張った。
俺のユニーク魔法は色んな場面で便利だろうし、俺の秘密……なんて、弱みでしかないからな。
「……いえ、先輩、それはダメです」
『ユウ？』
「契約の達成条件も相応のものになるはずです。先輩のユニーク魔法は捨てがたい」
『じゃあ俺の秘密で＿＿＿「ダメッスよ！」ラギー？』
「それだけは、絶対ダメッス」
俺の手首を握るラギーの手に力がこもる。
……俺のこと、心配してくれたのかな。
でも……魔法が使えないユウに、相応の担保なんか……
……あ、もしかして……
『お前……まさかオンボロ寮の使用権を担保にするとか言い出さないだろうな』
「そのまさかです。だって私が管理してるんだし」
『住む場所なくなるぞ？』
「野宿します」
『馬鹿なの』
「馬鹿です」
ユウとそんなやりとりをしていると、バン！！と大きな音を立てて扉が開いた。
「その話、乗ったーーーー！！！」
全身泡だらけの謎の生物……って、あれグリムか。
「も、もうこんな生活嫌なんだゾ！オレ様の毛は食洗機じゃねぇってんだ！」
「グリムさん。従業員が仕事をサボって立ち聞きとは感心しませんね。フロイド、つまみ出しておしまいなさい」
「はぁ〜い」
「まあまあ、待ちなさい2人とも」
アズールが、今にもグリムを閉め出しそうなリーチ兄弟に声をかけた。
「ユウさん、唯一の寮生であるグリムさんがこう仰っていますよ。どうします？オンボロ寮を担保に、僕と契約なさいますか？」
「うう、ユウ〜〜助けてくれぇ……」
「おいユウ、やめとけ！どうせこっちが不利な条件での契約に決まってる」
2人と1匹にそう言われたユウは、少し考えてこう言った。
「願いを叶えるための条件は……？」
「この契約の達成条件は＿＿＿“三日後の日没までに、珊瑚の海にあるアトランティカ記念博物館からとある写真を奪ってくること”！」
「俺たちに美術品を盗んでこいっていうのか！？」
ジャックがすぐさま反論する。
正義感の強いジャックのことだ、盗みなんてしたくないだろう。
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作者名：tonight | 作成日時：2024年1月30日 11時
