同僚のデレがいくら何でも過ぎると思う【文豪ストレイドッグス】 (ページ5)

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44話ページ5

Aside

＿＿＿数日後

ノックの音がした。

『どうぞー』

「失礼します」

ドアを開けたのは、暗い顔をした安吾だった。

『あれ、安吾じゃん。どうしたの？しかもやけに暗いし……残業続きだったりする？』

「敦君の云っていた、”神威”の正体が判りました」

……直感した。ため息交じりの安吾の声に。
”神威”の正体が、ショッキングなものだったんだろう。

「別に僕はこの結果にショックではありません。ただ……世間一般的にはショックであり、貴女にとってもショックかもしれないということです」

だからわざわざ貴女の所まで赴いたんですよ。
そう云う安吾の優しさに、ちょっと泣きそうになった。

『この世界の人々は安吾を奉るべきだね』

「何云ってるんですか……」

『私がショックを受けて、仕事とか全部手につかなくなるかもしれないと思って来てくれたんじゃないの？あれ違った？』

「……ったく、その通りですよ。まったく、何で変なところが太宰君に似るんだか…」

『洞察力があるのっていい事だと思うんだけど』

「普段は鈍感なくせに何云ってるんですか？」

突然ド直球に心をえぐってくるの何。
悲しいんだけど。

『お茶出すね、疲れてそうだし。ちょっと待ってて』

＿＿＿＿＿＿＿数分後

「お茶って言いながらコーヒー出すのやめてもらえませんか？何なんですか？もっと働けって事ですか？」

『ゴメンナサイ』

みんな、徹夜続きの安吾にカフェインが入ってる飲み物は渡しちゃいけないよ！

『……で、結局“神威”の正体って誰なのさ』

湯気で曇った眼鏡を外して、ちょっと不服そうにコーヒーを飲む安吾に聞く。

「……」

……答えない。

『コーヒー出したのはホントに反省してるんだよ…？』

「違います、答えにくいだけです。……というか、意外と美味しいですね、これ」

『意外とって酷くない？そろそろ泣くよ？』