同僚のデレがいくら何でも過ぎると思う【文豪ストレイドッグス】 (ページ18)

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57話ページ18

条野side

あれから3日が経った。
Aさんが心配で、何度か彼女の執務室を訪ねたが、『入らないで下さい』と追い返されるばかり。

3日前、彼女の部屋に夕食を置いていった時は、まだ他にもたくさん食料はあったから大丈夫だとは思うのだが。

問題は、それを食べているのかということ。
彼女のスマホや仕事用のパソコン、全てに連絡を入れたが反応はない。

……帰る前に、執務室から物音がするか聞いてみるか。

昨日までは、彼女の執務室の前を通ると、パソコンのキーボードを打つ音など仕事をしているような音がした。

だが、今日は＿＿＿＿＿

全くもって音がしない。

「Aさん！？」

いつもより、気持ち大きくドアを叩く。
返答はない。

「入りますよ！？」

大きな音を立ててドアを開ける。
そこには、憔悴しきったAさんがいた。
どうやら、大きなテディベアに顔を埋めているようだ。

「……Aさん？」

『……仕事は全て片付けました』

「食事は」

『条野さんが作ってくれたやつと、あとはゼリー』

……よかった、食事はとっているようだ。

「……もしかして、この3日間仕事漬けですか」

『……ごめんなさい』

彼女を連れて、ソファに座る。
テディベアは離さないまま。

「……何があったんですか」

『……っう、あ……』

彼女の肩が細かく震え出す。
この3日間、彼女は仕事をする事で、辛いことを忘れるようにしていたのだろう。

彼女の背中をさすると＿＿＿＿＿

『うわああああぁああぁぁあああっ！！！』

私の胸に顔を埋めて、大きな声で泣き出した。
……やっと、本心を表してくれた。

『……た、たち、はら……うあ、』

「立原君？立原君がどうかしましたか？」

そういえば、彼も3日前から行方がわからない。
……何故、立原君が関わっているのだと気づかなかったのだろう。

「何じゃ条野、儂の可愛い可愛いAを泣かせおって」

「燁子さん……」

「どうしたA。よーしよし」

燁子さんがAさんの頭を撫でる。

……立原君の行方、Aさんは知っているのだろうか？