51話 ページ12
Aside
「立原君……報告を聞きましょう」
あれから、たった一日。
事は大きく変化していた。
「はい……でも、あれをどう表現すればいいか……」
立原は、おずおずと口を開いた。
「……マフィア潜入任務に戻った俺は、組織の招集を受けました。でもその先で、姐さんが、銀を……」
突然樋口ちゃんが、銀ちゃんを噛んだ。
「訳が判らなかった。広津のジイさんが最初に反応した。でも……」
樋口ちゃんは、あの広津さんをありえない力で蹴り飛ばしたそうだ。
「ありゃ、人間じゃなかった」
立原の一言一言から、強い動揺、そして後悔が感じ取れる。
「金属操作の異能を使えば、潜入捜査がバレる。そう躊躇した一瞬で、次は____」
銀ちゃんが、広津さんを噛んだ。
広津さんはその後、立原を突き飛ばして、立原を外に逃してやったそうだ。
その外も、樋口ちゃんや、銀ちゃんのような状態になったマフィア構成員で溢れかえっていたらしい。
……どうでもいい事云っていいかな。
広津さんイケメンすぎだって。
「如何思われます副長?」
「ふむ……第一に、立原が間抜け過ぎじゃな。第二に、虚言・幻覚の類ではなかろう。現に2時間前より、マフィア関係者の謎の失踪が次々報告されておる。縄張り付近の住民もじゃ」
「被害者が次の加害者になる異能……感染型の無差別異能テロですか。となると早急な封じ込めが必要ですね」
『いえ……感染の速度が早過ぎます。南米の人狼事件を超える速度……封じ込めは間に合わないでしょう。唯一の解決策は、異能自体の滅却。即ち発生源たる異能者を殺すしかない』
「ですが問題は、その発生源が誰なのか……」
すると、鐵腸さんが珍しく口を挟んだ。
「発生源は明白だ。武装探偵社。タイミングから見て、連中が仕掛けた次なる“世界テロ”に相違ないだろう」
鐵腸さんがそう云うと、条野さんは呆けた顔をした。
「?何だ」
「いえ、鐵腸さんが真面な事を云うのは月に一度ですから……カレンダーに印をつけておかないと」
この人酷すぎやしないか?
流石に鐵腸さんでも真面な事はもっと云ってる……はず、だ。
……ちょっと自信がなくなってきた。
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夜半 - 好きです(突然の告白 (12月10日 12時) (レス) @page10 id: 22ab75ff6b (このIDを非表示/違反報告)
いちきちゃん(プロフ) - 滅茶苦茶大好きです (10月16日 19時) (レス) id: bbdd29e3b1 (このIDを非表示/違反報告)
りず(プロフ) - めっっっっちゃすきです (10月4日 0時) (レス) @page4 id: 188b205efb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:tonight | 作成日時:2023年8月26日 12時