同僚のデレがいくら何でも過ぎると思う【文豪ストレイドッグス】 (ページ1)

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40話ページ1

Aside

あの後私は何か協力しようかと申し出たのだが、安吾に断られてしまった。
そして今は執務室に戻ってきた次第である。
あの後どうなったんだろうかと心配で心配でならないのだが…

するとドアがノックされた。

『どうぞー……って条野さんですか。どうしました？』

「すみません。買い出しをお願いできますか」

『………買い出し？』

つい先刻まで聞かされてきた言葉とは対照的に、条野さんの口から飛び出した平和的なワードに首を傾げる。

「ええ。猟犬全体のね。本当は私が行くはずだったのですが、急用が入ってしまって…結構な荷物になると思うので、立原君でも誘って。お願いできますか？」

『はい、了解です』

「これ、買い出しのメモです。よろしくお願いします」

……買い出しか。そういうのも久しぶりだな。
執務室を出て、立原に声をかけに行った。

立原の執務室のドアを軽くノックすると、「どうぞー」という立原の返事が聞こえたのでそろそろとドアを開ける。

「Aか。どうした？」

『条野さんから買い出し頼まれちゃって。結構な量になると思うから、立原にも付き合ってもらいたいんだけど…』

「了解、じゃあ着替えてくる。さすがに隊服じゃなくてもいいだろ」

『そうだね。私も着替えてくる。駐車場で待ってて、車出すから』

＿＿＿駐車場

「てかお前運転できんだな」

『この前誕生日だったからね、運転できるようになったばっかだけど。でも私上手いよ』

「そりゃよかった」

立原のその返事を聞いて、私は車を発進させた。

＿＿＿ショッピングモール

『着いたー！』

「運転お疲れ。てか今日何買うんだ？」

『日用品とか、あと……手錠？ほら百均で売ってるような、オモチャの…』

「誰が欲しがってんだよ」

『燁子』

本物ならいくらでも持ってるだろうに、何でまあ……

『カーディガン置いてっていいかな』

「いいんじゃね？そんなに外寒くねえだろ」

『よし、じゃあ行くぞ』

この時カーディガンを置いて行ったことを、私は後に後悔することになる。

空は雲一つない晴天だった。
まさか雨が降ろうとは、誰も思っていなかった。