26話 ページ36
Aside
「"硬貨爆弾"か。唆られる邪悪さじゃ」
『硬貨は客によってカジノの外に持ち帰られ、更に経済流通によって世界中に拡散される。そして世界中に十分に行き渡った後……一斉に起爆する』
一般に爆弾というものは金属と共に起爆すると、対人殺傷力が跳ね上がる。
何故なら、飛び散った無数の金属片が手術不能の重傷を与えるからだ。
「カネは人が肌身離さず持ち歩く貴重品。つまり建物や設備ではなく、"ヒト"の殺戮だけが目的の凶悪兵器……」
「我々はテロリストの標的がカジノと思い来たが、逆か」
『……カジノ自体が、テロリスト』
私は硬貨爆弾について、安吾から既に説明を受けていた。
安吾によれば、真の爆発はその後に来る"恐慌"だ。
硬貨のみとはいえ貨幣＿＿＿即ち、国家信用の根幹が人を殺した事になる。
造幣局や銀行の管理に対する信用は地に堕ち、"相手が支払うカネ"を誰も信用しなくなれば、経済は停止。
恐らく人類史上最悪の、経済恐慌が吹き荒れるだろう＿＿と。
「そうか。あの支配人が早々に《猟犬》を追い出そうとした真意はそれか」
『そうだね。此処は起爆信号の発信源……高高度からの信号ならば世界中にも届く上、警察権の届かない独立領である為、発見も阻止も難しい』
地上に伝えようにも、2人の通信機は没収済み。
私は客のフリをしていた為、何も通信機を持っていない。
すると、��子が口を開いた。
「案ずるな、方法ならある。行くぞ……中央通信室に」
中央通信室は、外界との通信を一括で管理する最下層の通信室だ。
「そこを奪い、カジノの陰謀を全世界に暴露する。儂らで世界を救うぞ」
ダダダ……
『何……この音』
気がつけば、私たちは数十人の警備員に囲まれていた。
「くかか……貴様等、そんなに儂と踊りたいか？」
「撃て撃て！この2人を通信室に行かせるな！カジノを護るんだ！」
……2人？
此奴、間違いなく"2人"と云ったよな？
私が見えていないのか？
いや……
「A？どうしたんじゃ」
��子の声で我に返った。
警備員達がそこら中に倒れている。
『…ああ、ごめん』
廊下を進めば、音に気づいて集まってきたカジノの客が大勢いるのが目に入る。
「貴方達警察なの？」
「ええ。現在対テロの捜査中です。我々が皆さんを傷つける事はありません。ご安心を」
「そうなの。なら心配する事もないわね」
ドッ。
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紅て漢字見た目良くない？(プロフ) - 漫画立原の見た目がタイプで私も立原くんが好きになりました！猟犬立原の猟犬の5人目明かすシーンはちょっと好きにさせようと完全にねらってきてましたよね (7月22日 19時) (
レス) @page6 id: 9e74623cf5 (このIDを非表示/違反報告)
松原来愛(プロフ) - 面白い・・・・!立原好きです!他の人が濃すぎて埋もれやすくないですか、立原くん。かっこいいのに・・・。 (7月22日 17時) (レス) @page6 id: a16c2d859c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：tonight | 作成日時：2023年7月21日 14時
