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15話___過去編 ページ18

Aside






彼が亡くなり、立原家は私に構っている場合ではなかった。
それを察した私は、公園に行かなくなった。




……地獄の再来だ。




また始まったのだ、あの生活が。






年月が経って、私は11歳になった。



数年前、私に異能があるとわかると、あの家の人たちはさらに私を祀り上げた。
そんな時だ、私の夢に彼が現れたのは。





ずっと会いたかった。
夢の中でもいいから、また彼の声を聞きたかった。



私は話した。彼が居なくなってからのこと、全部。




すると彼は云ったのだ。



「僕は”正しい”ってことが昔から大切だと思っててね。まあ誰が何を正しいとするかは人それぞれだと思うけれど」



そういえば、彼は云っていた。





___この”正”の字が僕は好きでね。為した事を数えて”正”が完成する度、この世に”正しさ”が増える気がするんだ。





「Aちゃんが、それを正しいと思うのなら___いいんじゃない?」





今思えば、彼がそんなことを云うはずはないとわかっている。
……ただ、あの時の私は誰かに其れを云ってほしかったのだ。





『___いいの?』




「ああ___ぶっ壊しちゃえ」






そして、私はのちに伝わる”四十四院(つるし)家大虐殺”を起こした。

全部、壊した。
こんな家が続いていけば、この先の未来、私のように苦しむ人が出てきてしまう。




なんだ、そんなの……全部壊せばいいじゃん。
私の異能なら、もれなくこの家は破滅する。




……あの時は狂ってたよ。
そんな時、私に声をかけたのが……。






「太宰さんだった……」


敦君が呟いた。




『そ。私があれを起こした日、あの人は来たの』






「森の奥の大豪邸で、使用人の変死体が次々見つかるっていうから来てみたら……居るのは少女一人だけ。何、もう全員殺したの?」




『……だったら何』




「僕はこんな大虐殺を起こした君の異能に興味があるんだ。僕はポートマフィアの一員なんだけど…どうだい?僕の部下になるってのは。どうせ君、こんなに殺しちゃあ身寄りもないし、やることもどうせないんでしょ」




『………』




「察するに、君はその苗字嫌いだよね。変えたら?そしたらもう、こいつらとは永遠におさらばだ」




…なんとなく、この人は私に生きる意味を与えてくれるような気がしたから。





『……私は榊原A。いいよ、貴方についていく』

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紅て漢字見た目良くない?(プロフ) - 漫画立原の見た目がタイプで私も立原くんが好きになりました!猟犬立原の猟犬の5人目明かすシーンはちょっと好きにさせようと完全にねらってきてましたよね (7月22日 19時) (レス) @page6 id: 9e74623cf5 (このIDを非表示/違反報告)
松原来愛(プロフ) - 面白い・・・・!立原好きです!他の人が濃すぎて埋もれやすくないですか、立原くん。かっこいいのに・・・。 (7月22日 17時) (レス) @page6 id: a16c2d859c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:tonight | 作成日時:2023年7月21日 14時

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