11話 ページ14
Aside
「…はい」
『太宰さんは今、ムルソーに居るから…安吾とは話せたりする?』
「はい。今からですか?」
『うん。お願いできるかな…一寸、安吾と話したいから』
安吾から、直接話を聞いた方がいいかもしれない。
この”いいかもしれない”は、果たして”探偵社をテロリストとして見た方がいいかもしれない”なのか、”探偵社の味方をした方がいいのかもしれない”なのか。
…私にも、わからない。
ただ、今は安吾と話したかった。
…どうせ、私をそっち側に引き入れるのも、太宰さんと安吾が相談して決めたんだろう。
其れなら、当事者と話すのが一番手っ取り早い。
暫くすると、安吾と通話ができるような状態になったタブレットが私の元に返ってきた。
《…聞こえますか?Aさん》
『うん。久しぶりだね安吾、てか私の過去は人にペラペラ話すもんじゃないからね』
《わかっていますよ。貴女がどれだけ苦しんでいたかなんて、あの頃の僕たちが一番聞かされたじゃないですか》
『…まあね。ちっちゃい頃は周り敵しかいなかったし。話す相手もいなかったから___そうだ敦君たちも聞く?私の昔話』
「え?でも先刻安吾さんから…」
『他人から聞くのと、本人から聞くのとではわけが違うしね』
「じゃ、じゃあ…」
『素直でよろしい』
敦君たちは”部屋”の何処からか椅子を持ってきて、そこに座る。
『突然だけど、敦君の髪は白っぽいよね』
「あ、はい、そうですね」
『私も昔は白かったの。あと、今は髪もそんなに長くないけど昔は…そう、貴女』
「私?」
和装の少女___鏡花ちゃんが可愛らしく首を傾げる。
『鏡花ちゃんぐらいの髪の長さだったんだよ』
「じゃあ何で切ったの?貴女の髪、長くしてもきっと綺麗よ」
モンゴメリちゃんはそういうけど、あの時の私はそうは思えなかった。
『私の髪は、”呪いの髪”だから』
___だけど、そう思うのは私だけ。
―――――――――――――――――――――――――――
次回からはAちゃんの過去編になります。
もしかしたらシリアスになるかもしれない……それ以前に、黒の時代をちょこっと挟みたいと思っているので長くなると思いますがどうぞよろしくお願いします…!
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紅て漢字見た目良くない?(プロフ) - 漫画立原の見た目がタイプで私も立原くんが好きになりました!猟犬立原の猟犬の5人目明かすシーンはちょっと好きにさせようと完全にねらってきてましたよね (7月22日 19時) (レス) @page6 id: 9e74623cf5 (このIDを非表示/違反報告)
松原来愛(プロフ) - 面白い・・・・!立原好きです!他の人が濃すぎて埋もれやすくないですか、立原くん。かっこいいのに・・・。 (7月22日 17時) (レス) @page6 id: a16c2d859c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:tonight | 作成日時:2023年7月21日 14時