伍拾陸：視線との攻防 ページ10
釘崎side
黙って見てれば…ギャーギャー煩いっての。
ガツンッと木に突き刺さった釘に、男二人の喚きが収まる。私はまだ止められてねぇんだよな、呪力。
「虎杖は私と来い、伏黒は榎森守れ。呪力止められたら祓えないでしょ」
「っ、お前一人じゃ「アンタよりマシよ。黙って私と虎杖に任せな」
虎杖なら素手でも呪霊ボコボコに出来んのよ。それに、榎森一人にしたら狙われた時守ってやれるヤツが居なくなる。
「榎森だって反転術式間に合ってないじゃない。せめて回復するまで姫プしてやれ」
釘を宙に投げ、金槌で一気に撃ち込む。飛来した釘は真っ白なソイツに飛んでいったが、当たる寸前で突然爆発したように散っていった。
あの爆発…榎森がやってた"撥"ってヤツと似てるわね。コイツも呪力操作とかそういうタイプが得意か…？
「うしっ、伏黒は榎森頼む。俺と釘崎で何とか押さえるからさ！」
ゴキッと手を鳴らしながら、虎杖は邪視の前に立つ。そしてニッと好戦的な笑みを浮かべた。
「俺、死なないからさ。それにこのままだと榎森がキツイだろ？」
「っ…」
伏黒が悔しげに俯く。抵抗あるけど、今はこうするしか…
『俺も、戦う…っ』
不意に榎森が立ち上がって、虎杖の方に行こうとした。
「馬鹿っ！アンタは目が…！」
『呪力止められるまで粘るぞ…っ、伏黒、呪具貸してやるから援護しろ。釘崎と虎杖は呪力止められるまで畳み掛けろ…っ』
「榎森…！！」
『皆でやらねぇと、五分五分だぞ』
「「…！」」
泥から出した拳銃を伏黒に渡しながら、榎森は遠くの方でクネクネと動く邪視を睨みつけていた。
残された紫の瞳に、殺気が篭る。
『それに、俺の目返してもらわねぇと』
「…そうだな」
カチャッと小さな音を立てて、伏黒は拳銃を構える。ほんと馬鹿ね。
「(意外とコイツもイカれてんだな)」
諦め悪すぎ、つーか、手負いで飛び込むとか馬鹿すぎる。ま、その馬鹿を止めない私も馬鹿だけど。
「はいはい、榎森様の仰せのままに」
『俺はそんなに偉くないぞ』
手の中で釘を弄びながら、私と虎杖はアイツの前に立つ。伏黒と榎森は岩陰に隠れながら、隙を突いてアイツに攻撃する姿勢をとった。
「準備は？」
「勿論オッケー！」
虎杖のアホみたいに元気な声は、こういう時ちょっぴり頼もしい。
「「行くぞっ！！」」
私達は一斉に、目の前の真っ白な姿に向かって飛び込んだ。
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九龍-くーろん-(プロフ) - 日向さん» ありがとうございます！一気に読んで頂けるとは…！とても嬉しいです！更新頑張ります！ (2021年1月24日 21時) (
レス) id: 50fae09df6 (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 初めまして！主人公の設定や周囲との関係、ストーリーなどがとても面白くて1作目から一気に読んでしまいました！応援してます、更新頑張ってください！ (2021年1月24日 20時) (レス) id: 0ceab624dc (このIDを非表示/違反報告)
九龍-くーろん-(プロフ) - 南蛮モナカさん» ありがとうございます！とても嬉しいです…！今後とも主人公達の道を見守って頂けると嬉しいです！更新頑張ります！ (2021年1月23日 0時) (レス) id: 50fae09df6 (このIDを非表示/違反報告)
南蛮モナカ - 設定とかキャラ達の関係性？とか話の進み方とかすっごく好みです！更新がんばってください！ (2021年1月22日 23時) (レス) id: 4ea39a9195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九龍 -くーろん- | 作成日時：2021年1月21日 17時
