肆拾玖：次の任務へ ページ3
実side
「次の任務は"邪視"の討伐と、その目の回収だ」
電車に揺られながら前に座る伏黒の手元にあるスマホを見る。四角い画面に綴られた文字には、また色々と難しい話が書かれていた。
俺達は今、目的地に行く為に電車に乗っていた。中央に伏黒、虎杖は眠そうだったので伏黒の右に座らせ、左に釘崎が座り、俺は三人の前に立って、吊り革を掴みながら資料を覗き込む形で話を聞いている。
「邪視って何よ」
釘崎が訝しげに顔を歪める。伏黒は画面をスライドして、そこに書いてある説明を一通り読み始めた。
「"邪視"とは目が放つ呪いのことだ。西洋では魔眼と呼ばれる目が持つ呪いであり、今回の呪霊はその呪いを行使することから、邪視と呼ばれている」
『メドゥーサの石の目と同じ部類か』
「そうなるな。元来、目に関する呪いは多く存在する。現代においてもそうだ、人の視線は一番の縛りであり、呪いになる」
伏黒の言うとおりだ。人の目は、視線は、一番の呪いになりうる。言霊無しで使える呪いみたいなもんだ。
言うなら素人でも使える呪術。視線で人を殺せるなんて馬鹿らしいと思うが、実際視線に耐えられずに死を選ぶ人だって居る。特に陰口と併用されることが多い。
「強さは二級、いや、下手したら一級に格上げされる程だ。多少手こずるだろうが、4人も居れば何とかなるだろ」
「まぁそうね。視線って結構厄介だけど、逆に対策が分かれば何とかなりそうだし」
「それに」と釘崎が続けて俺を見た。
「こっちには榎森が居るし、何とかなるでしょ」
『いや、流石に視線に対抗できる呪具は無いが…、一応任務終わったら目は封印しとくぞ』
「大丈夫か？それ」
不安そうに尋ねる伏黒に、俺は苦笑した。
『大丈夫だ。こう見えても結構呪物呑んでるからな。今更強い呪物の一つや二つ入れたぐらいで、箱から溢れることは無い』
「そういうことじゃなくてな…」
じゃあ何だ？首を傾げると、伏黒は溜息をついて俺の顔を見てきた。
「コトリバコの心配じゃねぇ。お前の心配をしてんだよ」
『は…？』
「あーっ、野郎同士のいちゃつきは私見たくないー！」
耳を塞ぐ釘崎に、伏黒は「お前…っ」と怒りを露にする。っと、虎杖が倒れそうだな。支えないと。
『とにかく、問題は無い。ありがとな』
「…ならいいが…」
まだ不安そうだが、本当に大丈夫だ。俺は俺のする事をするだけ、それに変わりは無い。
虎杖を元の位置に戻しながら、自分にそう言い聞かせた。
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九龍-くーろん-(プロフ) - 日向さん» ありがとうございます！一気に読んで頂けるとは…！とても嬉しいです！更新頑張ります！ (2021年1月24日 21時) (
レス) id: 50fae09df6 (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 初めまして！主人公の設定や周囲との関係、ストーリーなどがとても面白くて1作目から一気に読んでしまいました！応援してます、更新頑張ってください！ (2021年1月24日 20時) (レス) id: 0ceab624dc (このIDを非表示/違反報告)
九龍-くーろん-(プロフ) - 南蛮モナカさん» ありがとうございます！とても嬉しいです…！今後とも主人公達の道を見守って頂けると嬉しいです！更新頑張ります！ (2021年1月23日 0時) (レス) id: 50fae09df6 (このIDを非表示/違反報告)
南蛮モナカ - 設定とかキャラ達の関係性？とか話の進み方とかすっごく好みです！更新がんばってください！ (2021年1月22日 23時) (レス) id: 4ea39a9195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九龍 -くーろん- | 作成日時：2021年1月21日 17時
