陸拾参:秘められた呪い ページ17
宿儺side
【何、しデるの゛ぉ?】
ガシリと俺の首を絞めるように掴む巨大な手と共に、不快な声が降り注いだ。
「何だ貴様は」
目の前に現れたソレに声をかける。筋肉質な体躯に口しか浮かばぬ顔を持つそれは、子供のように首を傾げた。
【リ、りり゛りい里香の゛実にぃ゛、何じでるの゛ぉ、お゛〜?】
こいつ、今まで何処に居た?これほどまでの呪力、小僧の中に居ようとも感じ取れるはず…
…!そうか、そういうことか。
「貴様、榎森実に憑く呪いか…っ!」
以前から微かに榎森実の身体には何者かの呪力が纏わりついていた。それが今になって姿を現したか…!
【実、実実をォ…、虐メたの゛?】
「知るか。この手を離せ」
餓鬼の問答に付き合ってる暇は無い。一向に離さないその手に向かって術式を放とうとした時、
【実ヲ゛、虐める゛人ば、嫌゛い゛ぃっ!!!!!】
突如として巨大な手が振り回され、勢い良く投げ飛ばされた。
「っ!!」
突風の圧によって体が固定される。数本の木を破壊しながら吹き飛ばされたが、すぐに反転術式で傷を癒し立ち上がった。
【実、実…ッ、大丈夫だがら゛ネ、里香と、憂太が、守る゛からネ゛、ぇ?】
っ、化け物め…
抱え込むように守るヤツから、榎森実を奪わねばならなくなったな。…呪いの発生源はやはり内の箱か?否、それでは身から呪力が溢れるはずはない。ならば…
「あの輪か」
あの指に嵌められた輪に、何者かの呪力が込められているのか。大方遠隔で発動する術式でも組まれているのだろう、榎森実の身に何かあればすぐ発動するように。
「(随分と過保護なことだなぁ?ヤツは分身体に過ぎんが、特級相当は相手に出来るか…)忌々しいことこの上ない…!」
それは俺のものだ。邪魔立てするならば殺す。
「よこせ、小娘」
【実を゛、虐メ゛るなァ゛あぁア゛ァっ!!】
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九龍-くーろん-(プロフ) - 日向さん» ありがとうございます!一気に読んで頂けるとは…!とても嬉しいです!更新頑張ります! (2021年1月24日 21時) (レス) id: 50fae09df6 (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 初めまして!主人公の設定や周囲との関係、ストーリーなどがとても面白くて1作目から一気に読んでしまいました!応援してます、更新頑張ってください! (2021年1月24日 20時) (レス) id: 0ceab624dc (このIDを非表示/違反報告)
九龍-くーろん-(プロフ) - 南蛮モナカさん» ありがとうございます!とても嬉しいです…!今後とも主人公達の道を見守って頂けると嬉しいです!更新頑張ります! (2021年1月23日 0時) (レス) id: 50fae09df6 (このIDを非表示/違反報告)
南蛮モナカ - 設定とかキャラ達の関係性?とか話の進み方とかすっごく好みです!更新がんばってください! (2021年1月22日 23時) (レス) id: 4ea39a9195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2021年1月21日 17時