伍拾捌：地獄のような ページ12
伏黒side
何が起こった…？俺の隠れていた岩が突然、綺麗な円を描いて一部が消滅した。
その先に見えるのは、青い顔をした虎杖と…
【見ィツケタァ♪】
真っ青な、巨大な瞳。
「コイツっ！！」
咄嗟に釘崎が邪視に向かって釘を飛ばす。視界の中にあった青色は途端に血のような赤に変わり、その瞳がじっと釘崎を凝視した。
釘から呪力が消え地面に落ちる。釘崎も呪力を消されたのか…っ
「っ…」
何やってんだよ…っこれじゃあ足手纏いじゃねぇか…っ！
近くにある隠れられる岩に移動し、手の中の拳銃を握り締める。榎森が渡してくれた呪具であろうその拳銃には、酷い顔の俺が映っていた。
悔しさと無力感で、眉間に皺が寄った俺の顔が。
「くそっ…！」
円状に切り取られた岩の陰から様子を窺う。邪視は先程とは打って変わって、機敏に動いていた。
釘崎の放った釘を避け、回し蹴りで腹を撃ち蹴り飛ばす。入れ替わるようにして殴りかかってきた虎杖の拳を受け止め、そのまま引き寄せて腹に膝蹴りを叩き込んでいた。
虎杖が軽く嘔吐する。邪視は数度虎杖を振り回した後、近くの大木にまるでゴミでも投げるかのような動作で虎杖を投げ飛ばした。
二人共もうボロボロだ。それでも立ち上がろうとしている。
「(何してんだよ、俺は…！)」
震える手にしっかりと力を入れ、銃を握り締める。今邪視は二人に夢中だ。虎杖の髪を掴み持ち上げる邪視の瞳が、あの真っ青な青へと変わった。
あれをやられたらまずい。それだけは分かる。なら…っ
呼吸を整え、銃を構える。真っ直ぐ邪視へと向いた銃口越しに、あの青い瞳を睨みつけた。
「離せよ」
引き金を引く。バンッという発砲音と共に、呪力が篭った弾丸が高速で邪視の元へと飛んだ。
螺旋を描いて放たれた弾丸に邪視が気づいた瞬間、弾丸は瞳孔を食い破るようにして瞳の肉に喰らいついた。
【区ｊｍ０３ｘく９４くｘ、ｋ９３−４ふぃ４！？】
不快な声が悲鳴に変わる。ど真ん中を撃ち抜かれた邪視の瞳から、噴水のように血液が噴き出した。
虎杖を掴んでいた手から力が抜ける。虎杖は地面に倒れ、数回咳き込んだ。
『やったな』
声の方に振り向くと、榎森は笑っていた。失血でまだ動くことが出来ない榎森に代わって、今は俺が頑張らないといけない。「まだだ」と返答し、もう一発撃とうと再度邪視の居る場所へと視線を移す。
「…！？」
そこには、真っ青な目が無数に存在していた。
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九龍-くーろん-(プロフ) - 日向さん» ありがとうございます！一気に読んで頂けるとは…！とても嬉しいです！更新頑張ります！ (2021年1月24日 21時) (
レス) id: 50fae09df6 (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 初めまして！主人公の設定や周囲との関係、ストーリーなどがとても面白くて1作目から一気に読んでしまいました！応援してます、更新頑張ってください！ (2021年1月24日 20時) (レス) id: 0ceab624dc (このIDを非表示/違反報告)
九龍-くーろん-(プロフ) - 南蛮モナカさん» ありがとうございます！とても嬉しいです…！今後とも主人公達の道を見守って頂けると嬉しいです！更新頑張ります！ (2021年1月23日 0時) (レス) id: 50fae09df6 (このIDを非表示/違反報告)
南蛮モナカ - 設定とかキャラ達の関係性？とか話の進み方とかすっごく好みです！更新がんばってください！ (2021年1月22日 23時) (レス) id: 4ea39a9195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九龍 -くーろん- | 作成日時：2021年1月21日 17時
