鬼の名を持つ副隊長《2》

ストッパーなんで ページ49

総鬼side

黒い刀身が土方さんの顔に向けられる。近藤さんが叫ぶも、一歩動けば顔面が斬られるその緊張に土方さんは動けなかった。

「鈍はもう喰い飽きたと言ったんだ。お前達は黙っていればいい」

刃が突き込まれる。端整な顔が黒い刃に潰される前に、俺は土方さんの方へと走り、左手でその刃を掴んだ。
肉の斬られる痛みと共に、血が刀身を伝い落ちる。が、土方さんに到達する前に刃は堰き止める事が出来た。
　
『鈍喰い飽きたなら、俺を喰ってみやがれ』

テメーがその身体使う以上、俺も黙ってねぇぞ？
総悟の為じゃねェ、土方さんにいざと言う時は止めろと言われているから止めるだけだ。

「…それもいいな」

恍惚とした笑みを浮かべるマガナギが、唇を舐めて刃を引き抜く。付着した血は刀身に滲むように消えていった。
俺は土方さんを庇うように前に移動し、マガツキを構える。

「アンタの血は最高に美味い。マガツキをその身から引き剥がし、俺の第二の器として生かしてやろうか」
『ふざけんなクソ魔剣。テメーは真っ先に粉々にしてやらァ』

一触即発の空気の中、微かに動いたのを皮切りに飛び出す。その刃が互いに交差するかと思った時、マガナギの後ろから何かが飛来した。

「『…！』」

互いにソレの気配に気づき横に身を避ける。ソレは俺達の横を通り過ぎ…土方さんの顔面に激突した。

「オイ、相手間違ってねーか。オメーさんの相手は俺だろうよ」

不適に笑う旦那が声をかける。俺は飛来したウ○コが顔面に直撃した土方さんを、哀れみの目で見た。うわっ、臭そ…。

「相手間違ってんのはテメーだろぉおっ！誰の顔面にウ○コ叩きつけてんだテメーは！」

「おぇ゛え゛えぇっ！」と嘔吐する土方さん。あ、近寄らないでくだせェマジで。

「間違ってねーよ。吸い込まれるように、まるでマイホームかのようにお前の顔面に帰って行ったんだよ」
「誰の顔面が便器だバカヤロォオッ！殺す！アイツ絶対殺す！」
『それ以上近寄らないでくだせェゲロ方ウ○コ郎さん。今近づかれたら一生嫌える自信がありやすから』
「何でぇぇっ！？そんなに臭い！？ごめんね今ファ○リーズかけるから顔面に！」
『いや、それはそれでフローラルなウ○コになるんで止めてくだせェ』
「フローラルなウ○コって何！？」

でも旦那の方にマガナギの意識が行った。暫く俺等の方には攻撃しないだろ。
頑張ってくだせぇよ、旦那。

俺とテメーの喧嘩→←いや、別にどうでもいいし

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