刀の恐ろしさ ページ46
土方side
会場への道を急ぎながら、俺は病院で聞いた千兵衛の言葉を思い出していた。
人斬りすら出来ぬ程崩壊したあの男が放った言葉…
【"次に喰われるのはアイツの番だ!人斬りは、あの男だ!!"】
錯乱した中で叫ばれた言葉に、俺は無我夢中で病院を飛び出し総鬼を捜した。
俺は知ってる。妖刀に喰われた事があるからこそ分かる。俺は…刀の恐ろしさを知ってる。
犯人はアイツじゃねぇ…アイツの持ってた"刀"こそが全ての元凶だ。俺の時と同じ、刀が人を操って、人を斬り殺してたとすりゃあ…っ
「(次にその刀を持ったのは、恐らく総悟だ…っ)」
そうなったら人斬りどころじゃねぇ、大魔王の誕生だ…!
アイツが支配されるタマとは思わねぇが、それでも不安は募る。だから俺は総鬼を捜して連れて行く事にした。
コイツは夜兎と影族っつー強い二種族の天人の血を引いてる。それに多少とは言え総悟の血を飲んでその力を手にしてる奴だ。何より、もう一振りの魔剣を持ってる…!
「総鬼、状況見てやべぇと思ったらすぐ斬れ。万事屋が斬られる前にだ」
『分かってやすよ。ま、一応旦那と総悟の闘いなんで、あの刀引き剥がした後すぐに退場しやすけどねィ』
総鬼と話しながら街を抜けて河川敷に迫れば、微かに刀が風を切る音が聞こえてきた。もう始まってやがるのか…!
「(近藤さん達が襲われてなけりゃあいいが…っ)」
急いで近藤さん達の元に向かう。緩やかな土手を降りれば、二人の合戦を見守る近藤さん達が見えた。が、その表情は固まっている。
「そ、総悟…?」
……チッ、遅かったか…っ
「じゃねーよ」
「!トシ、総鬼!」
『すいやせん、サボってやした』
「いやサボっちゃ駄目だからな!一応お前もお呼ばれされてたんだから!」
『だって面倒だったんですもん。総悟VS旦那の闘いだけでいいじゃねーですか』
「呑気に話してる場合か!!」
「本当に、呑気な男だ…。副隊長殿」
低い声がアイツにかかる。総悟が、小さく肩を揺らして笑っていた。
「アンタがふらふらしている間に、この男は俺が…喰っちまったよ」
上げた顔に張り付いていたのは狂喜の笑み。その目はいつもの赤ではなく、濁った紫へと変じていた。
最悪だ…最悪な予想が現実になっちまった…っ!!
それは突然の事で→←決戦の日なんて壮大なタイトルを付けてみるけれども俺は参加しない
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九龍-くーろん-(プロフ) - 赫さん» ありがとうございます!今は出ませんが、後々彼とも会わせるつもりです!長らく手をつけていないので遅くなると思いますが、頑張ります!! (2021年2月22日 13時) (レス) id: 8d4444cf44 (このIDを非表示/違反報告)
赫(プロフ) - 面白かったです!沖田くんとの絡みがまたいい!神威くんとの絡みもありますか?更新頑張って楽しみに待ってます! (2021年2月21日 18時) (レス) id: 896d04091b (このIDを非表示/違反報告)
九龍-くーろん-(プロフ) - くるビーさん» 遅くなり申し訳ございません!飽き性なので不定期となりますが、少しずつ書いていきます! (2020年10月5日 14時) (レス) id: 8d4444cf44 (このIDを非表示/違反報告)
くるビー(プロフ) - 更新は何時ごろになりますか? (2020年9月25日 1時) (レス) id: 86be64a2f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2020年7月13日 19時