遊ぶ時は気をつけて ページ19
総鬼side
「え〜!?沖田さんってそんな凄いお人なんですか!?」
『姫様っ!声が大きい!!』
「あ……」
場内にある姫様の部屋。俺の事をよく知りたいという姫様の我儘に負けた俺は、誰にも話さないという理由で自分の事を話した。
まぁ、結果大声上げられたんだが……。
「凄いアルな後輩!その凄さを見抜いて後輩にした私も凄いけどナ!」
『そうですねィ。先輩は本当に人を見る目があらァ』
「子供扱いしてるダロ!」
『べぇ〜つにィ〜?』
「顔が緩んでるネ!」
ぷくーっと頬を膨らませる先輩の頭を撫でていると、姫様がキラキラした目で俺を見てきた。
な、なんつー眩しさ……総悟が浴びたら焼け焦げそうだな、無垢さで。
「じゃ、じゃあ沖田さんは、いろんな人になれるんですか?」
『え?…あー…まぁ、それなりに…「じゃあじゃあっ、他の方にもなってみてください!」わ…っ』
姫様があまりにも食いついてくるもんだから、思わず勢いに引き下がってしまう。
他の人かァ……、……他の人……あ。
『じゃあ先輩、ちょいと手を出してくだせェ』
「?分かったアル!」
先輩は不思議そうに俺を見てから、快く頷いて手を出してくれた。俺は『失礼しやすね?』と一言詫びを入れてから、ちょっとだけ指の腹を噛んだ。
「痛っ!何するアルか後輩!」
『すいやせん。でも俺、血を飲まないとその人に変身できないんでさァ』
ぺろりと血を舐めてから手を離す。ポケットから絆創膏を出して貼ってあげてから、ベルトを一旦外して着物を脱いだ。
『じゃあお二人さん。ちょいと待ってくだせェ』
自分の意思で変身するのは初めてだな…。
脱いだ着物を頭から被って目を瞑る。イメージ的には…こう、先輩の外見を頭の中に思い浮かべて……
………。
「わぁ〜…!!」
「凄い!私がもう一人居るアル!」
『何とか上手くいったみたいですねィ』
骨格の変わる感覚にゃまだ慣れねぇな…。背が縮んで、ぶかぶかになった服を持ち上げながらへらりと笑うと、先輩が抱きついてきた。
今の俺は先輩と同じ身長と見た目、声で。姫様が「髪は買ってきた髪留めで留めましょう!」と結んでくれた。
「じゃあ今日はそのままで遊ぶアル!」
『え、え〜…?』
服着たいんだけどなァ…楽しそうだから後で戻ればいいか。
先輩と姫様がはしゃぐ中、俺も混じって遊びに付き合うことにした。
背中に刺さる視線に気づかないまま。
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九龍-くーろん-(プロフ) - 赫さん» ありがとうございます!今は出ませんが、後々彼とも会わせるつもりです!長らく手をつけていないので遅くなると思いますが、頑張ります!! (2021年2月22日 13時) (レス) id: 8d4444cf44 (このIDを非表示/違反報告)
赫(プロフ) - 面白かったです!沖田くんとの絡みがまたいい!神威くんとの絡みもありますか?更新頑張って楽しみに待ってます! (2021年2月21日 18時) (レス) id: 896d04091b (このIDを非表示/違反報告)
九龍-くーろん-(プロフ) - くるビーさん» 遅くなり申し訳ございません!飽き性なので不定期となりますが、少しずつ書いていきます! (2020年10月5日 14時) (レス) id: 8d4444cf44 (このIDを非表示/違反報告)
くるビー(プロフ) - 更新は何時ごろになりますか? (2020年9月25日 1時) (レス) id: 86be64a2f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2020年7月13日 19時