鬼の名を持つ副隊長《2》

いい所で会いやしたねィ ページ18

沖田side

とっつぁんと将軍の護衛で城に来てみりゃあ…テメーも来てるとはなァ？総鬼。

「テメーに会えるたァ…やっぱ俺とテメーは赤い糸で繋がってんのかもしれねぇな」
『血塗られた糸だろーが、離しやがれ』

夜兎だからその気になりゃあ離せるだろーが。でもそうしねぇのは、どういう事で？

「あ！こんにゃろドS、後輩から離れるネ！」

チッ、クソチャイナが邪魔しに来やがった…。…っと、その後ろに居るのは…

「姫様じゃねーですかィ。またチャイナと遊びに出てたんで？」
「沖田さん…！えぇ、お城に居てもお兄様達は上に居ますし、なら神楽ちゃんに会いに行こうと思って…」
「成程、それでテメーは付き添いか。大変だなァ後輩君」
『お仕事してくだせぇお巡りさん』
「総悟でィ。相変わらず生意気な副隊長だなコノヤロー」

この場で口塞いでやろうか？その意を込めて目を細めれば、後ろから肩を掴まれた。誰かは想像つく。

「何してんだお前、早く持ち場に…って、総鬼！」
『お久しぶりでさァ、土方さん』

やっぱりな…煙草の臭いがしたからそうだと思ったぜ。

「俺ァ職務怠慢な副隊長を連行しようとしてるだけですぜ」
「ソイツは一週間万事屋に貸し出すって言っただろうが。折角近藤さんがとっつぁん説得したってのに、水の泡にする気かお前」
「いやいや、総鬼はウチの子ですぜ？何がいけないんでィ」
「後輩はウチの子ヨ！さっさとその手を離すアル！」
「うるせーなチャイナ。今此処でボコボコにしてやろうか？」
「上等ネ、かかって来いヨおらぁっ！」
『落ち着いてくだせぇよ！総悟、大体俺ァ此処で素性ばれたらヤバイってのを忘れたんで？上に連れてってみろ、すぐに親父共の餌にされるぞ』
「大丈夫でさァ。テメーに手を出す雄豚共は全員去勢してやるよォ…」

そのぐらい俺なら出来る。俺の気に入りに手を出す奴ァ、誰であろうと俺の敵でィ。

「総悟、いい加減にしろ。早く上に戻らねぇと何かあった後じゃ手遅れだ。行くぞ」

チッ…仕方無ェ。やっぱ一週間我慢か。まぁ会えただけでも幸運か。
手を離し「へーィ」と返事を返してその場を去る。上の親父共にやるよりかは、仕事してアイツに近づくのを防ぐ方がいいと思っただけだ。

「(帰ったら覚えてやがれ)」

暫くは外に出れねェようにしてやらァ…

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