予想外の遭遇 ページ17
総鬼side
目の前にそびえるのは、質素ながらも壮大な城。その門前まで気楽に来てしまった俺は、ちょっと言葉を失った。
『…ま、待ってくだせェ…。此処…』
「「お城です/アルよ?」」
『見りゃ分かるわ!何で此処に来たんですかィっ、俺ァてっきりお屋敷かと…』
「あれ、言ってなかったアルか?そよちゃんは将軍の妹ネ」
……は?
「将軍の妹だから、お城が家アル」
「さ、入りましょ神楽ちゃん」
「ほーい」
『そんな気楽に!?』
いや、待って、先輩怖っ!将軍の身内と友達なんて、先輩怖っ!!
って事は……今まで俺ァ将軍様の妹君と一緒に居たのか!?あ、頭痛くなってきやがった…
「…後輩」
先輩が俺に手招きをする。少し先輩の方に耳を傾けると、小さな声で俺に言った。
「そよちゃんが将軍の妹だからって、あまり畏まらないでほしいアル。私と居る時は普通に接して欲しいネ。じゃないと、そよちゃんが悲しむアル」
『…分かりやした』
出来るだろうか…俺に。ま、まァ今まで通り接していれば何とかなるか…。
門を潜り、広い敷地内を歩いて城内へ入る。廊下を歩きながら周囲を見ていれば、人の少なさが気になった。
『あの…そよちゃん、一つ聞いても良いですかィ?』
「はい、何ですか?」
『他の人は何処に行ったんで?いつもこんな手薄な警備してる訳じゃねぇでしょーよ』
「今日は上の大広間で重役達を集めた会食をしているんです。それで警備がそちら側に集中しているのだと思います」
『成程…』
だったら役人に会う事も無ぇか…。上の階の何処に居るかは知らねぇが、会っちまったら詮索されて素性バレて最悪玩具…
…考えるの止めよ。
「そよちゃん、部屋で何して遊ぶアルか?」
「んーと…さっき買った髪留めを試しに付けてみようよ」
「いいアルなそれ!まずは後輩に付けるアル!」
『また俺で遊ぶンですかィ…!』
全くこの二人は…。
呆れを含んだ溜息を漏らした時、不意に誰かとぶつかった。
『っ!すいやせ「おーっとォ……?珍しい奴が居るもんだ。ねェ…?総鬼」………』
これは、嫌な予感がする……。
『さいなら』
「何処行くんだテメー」
逃げようとすると、がっしりと腕を掴まれた。恐る恐る振り返れば…
「久し振り」
Sッ気を含んだ笑みを浮かべる隊長殿が、俺の腕を掴んでいた。
89人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
九龍-くーろん-(プロフ) - 赫さん» ありがとうございます!今は出ませんが、後々彼とも会わせるつもりです!長らく手をつけていないので遅くなると思いますが、頑張ります!! (2021年2月22日 13時) (レス) id: 8d4444cf44 (このIDを非表示/違反報告)
赫(プロフ) - 面白かったです!沖田くんとの絡みがまたいい!神威くんとの絡みもありますか?更新頑張って楽しみに待ってます! (2021年2月21日 18時) (レス) id: 896d04091b (このIDを非表示/違反報告)
九龍-くーろん-(プロフ) - くるビーさん» 遅くなり申し訳ございません!飽き性なので不定期となりますが、少しずつ書いていきます! (2020年10月5日 14時) (レス) id: 8d4444cf44 (このIDを非表示/違反報告)
くるビー(プロフ) - 更新は何時ごろになりますか? (2020年9月25日 1時) (レス) id: 86be64a2f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2020年7月13日 19時