鬼の名を持つ副隊長《2》

何でこういう扱いを受けるのか ページ16

総鬼side

『…で、何故こうなる』

今来ているのは女性用のアクセサリーショップ。そこまではいい。でも何で…

『何で俺に付けるんですかィ…！』

髪に色んな可愛らしい髪留めやらゴムやら付けられ縛られをされて、完全に二人の玩具と化していた。

「可愛いアルよ後輩！元が良いと何しても可愛いアルな！」
「これは…外に出しちゃ駄目だね神楽ちゃん！男の人に狙われちゃう！」

いや狙われねぇから…！何で男の俺が野郎に狙われなきゃいけねぇんですかィ！

「だってサドの様子見る限り、お前いつかアイツに食われるヨ？」
『え』
「まぁ…！沖田さんに食べられちゃうなら、副長さんにもペロリと…」
「間違いないアル！後輩のケツが心配ネ！」
『何で女性二人にそんな事心配されなくちゃいけねぇんですかィ…ッ！！』

何？世の中の男全員獣に見えてンのか？そうなのか？そして俺は食われる側だと？

「だって後輩は可愛いネ。ちゃんとおめかししたら男ホイホイになっちゃうアル」
『俺ァ化粧はしやせんから！！』

ゴムや髪留めを取って先輩に返す。店の中には他の人も居るし、女性専門の店だから俺じゃなく二人が付け合いっこすりゃいいじゃねーか。

「じゃあコレ一個買っていくネ、後輩にあげるアル」
「神楽ちゃん、この三つ葉の髪留めも可愛いよ？」
「じゃあその二つにするネ！で、後輩にあげる！」
『自分の分でいいでしょーが！何で俺！？』

俺が騒いでも二人が止まる気配は無い。…もういいや、髪留めぐらいなら、まァ…使えるし…。
二人がはしゃぎながら会計を済ませる様子を見つつ、俺は小さく溜息を零す。結構付き合うのも疲れるんですぜ？

「後輩、次は何処に行くアルか？」

戻ってきた先輩が袖を引く。次、か…決めてなかったな…。

『お二人にお任せしやす』

まだ俺もこの付近の事はいまいち分かってねぇからな。

「なら私の所で遊びましょう？今は皆お兄様の所に居るから、私の部屋には誰も居ない筈よ？」
「そうアルか！じゃあ行くヨ後輩！」
『へーィ』

何処に行くかは知らねぇが、とりあえず今この中で年長者は俺のみ。子供の好きな事させて、それを見守るのが保護者の役目でさァ。



ついて行った先を見て心臓が出そうな程驚く事になるとは、その時は思ってもいなかった。

予想外の遭遇→←先輩の友達とは…

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