先輩の友達とは… ページ15
総鬼side
手合わせ(と言うかほぼ定春の相手)で汚れた服を取り替え、風呂に入ってさっぱりしてから、俺は先輩と一緒に公園に来ていた。
『俺、居て良いんですかィ?』
「いいのヨ!後輩を紹介したいしナ!」
先輩がニッと笑う。まぁ…それなら良いんですけどねィ、一応変なヤツ来ないか警戒しとかねぇと。
そんな事を思っていると、隣で歩いていた先輩が勢いよく手を振り始めた。
「そよちゃん!」
「神楽ちゃーん!」
手を振って此方に来る女子は、一言で言うならおしとやかな女の子だ。
柔和な顔つきの黒髪ロングの美少女、可愛らしい着物を着て先輩と笑顔で話す姿は本当に可愛い。
「あのねそよちゃん。今日は紹介したい後輩が居るのヨ!」
「後輩さん…?」
「コイツネ!ドSの身内アル!」
身内…じゃねーケド、そっちの方が話進めやすそうなんでそうしとくか。
『どうも。沖田総鬼です』
「あら…!沖田さんの弟さん…?」
『へィ。ウチの馬鹿兄がお世話になってやす』
弟…不服だがまァいいだろィ。
「いえいえ、真選組の皆さんにはいつもお兄様がお世話になっています」
お辞儀をする彼女の所作はどこか気品があった。良いところの出なのかもしれねぇな。
「でも真選組の人達は今日、お城の警備の筈じゃ…」
「マジアルか!!拙いネ後輩、お前真選組ダロ!」
『ま、まァそうですけど…一応近藤さん辺りが何とか誤魔化してるんじゃ…「職務怠慢は駄目アル!銀ちゃんみたいになっちゃうヨ!」
確かに旦那みてぇな怠慢野郎にはなりたかねぇが、一応俺ァお偉いさんに見つかると色々と厄介な事になるっつー事情が…「早く行くネ!」待て待て待て待てッ!!!
『ま、待ってくだせェ先輩っ!』
今此処で行ったら…
幕府のお偉いさん方と鉢合う→俺が真選組の奴だとバレる→新入りの為色々詮索される→素性バレておっさん達に色々喰われる
っつー末路しか見えねェ…!
『きょ、今日はそよちゃんと遊ぶ約束じゃねーですかィ。俺の事はいいんで、二人で遊びやしょーよ』
とにかく今は城行きを回避しねぇと…!
「それもそうアルな…!ならそうするネ!」
良かった…。
ホッと胸を撫で下ろすと、先輩は俺の手を握ってニコッと笑った。
「でも後輩も一緒アル!」
先輩が俺の手を引っ張る。その小さな手に引かれるがまま、人の行き交う町の中へと走って行った。
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九龍-くーろん-(プロフ) - 赫さん» ありがとうございます!今は出ませんが、後々彼とも会わせるつもりです!長らく手をつけていないので遅くなると思いますが、頑張ります!! (2021年2月22日 13時) (レス) id: 8d4444cf44 (このIDを非表示/違反報告)
赫(プロフ) - 面白かったです!沖田くんとの絡みがまたいい!神威くんとの絡みもありますか?更新頑張って楽しみに待ってます! (2021年2月21日 18時) (レス) id: 896d04091b (このIDを非表示/違反報告)
九龍-くーろん-(プロフ) - くるビーさん» 遅くなり申し訳ございません!飽き性なので不定期となりますが、少しずつ書いていきます! (2020年10月5日 14時) (レス) id: 8d4444cf44 (このIDを非表示/違反報告)
くるビー(プロフ) - 更新は何時ごろになりますか? (2020年9月25日 1時) (レス) id: 86be64a2f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2020年7月13日 19時