機嫌の取り方 ページ11
総鬼side
『さっぱりした…』
まだ少し濡れている髪を拭きながら裸足で歩く。出る時に綺麗に掃除もしたし、次誰が入っても大丈夫なようにしておいた。
用意した寝巻きに着替えて、髪をタオルで拭きながら居間に来ると、突然俺の方に旦那が飛び込んできた。
『危ねっ』
「グフェッ!?」
うっわ、顔から床に叩きつけられたぞ…痛そうだな…。じゃなくて、
『大丈夫ですかィ?旦那』
反射的に避けちまったけど、これ受け止めた方が良かったか?
床に激突して気絶している旦那を見てから飛んできた方向に視線を移す。と、そこには怒りに燃える先輩が拳を握ったまま立っていた。
「こンのクソ天パ…私のアイス食べやがったなコノヤロー!」
…うん、色々と察した。
『先輩、旦那伸びちまいやしたよ?』
「別にいいアルそんな腐れ天パ」
『うわ辛辣』
意外と先輩って容赦無ぇのな。でも分かるぞその気持ち、俺も総悟に勝手に天丼食われたらぶん殴る。
『……そうだ』
プンプンと怒っている先輩を見てふと思いついた。楽しみ潰されたままじゃ可哀想だしな。
『先輩、ちょっとそこで待っててくだせェ』
「?分かったアル!」
先輩を居間のソファに座らせ、俺はキッチンに向かう。冷蔵庫を開けて白玉粉ときなこ、黒蜜を出した。
『うし、やるか』
ちょっとしたスイーツでも振舞ってあげやしょう。
キッチンで黙々と作った白玉団子を皿に移し、スプーンと一緒に盆に乗せて居間に向かう。居間には足をプラプラとさせながら大人しく待っている先輩が居た。普通に可愛い。
『お待たせしやした先輩、どーぞ』
「!何アルかこれ!」
白玉団子を目の前に出すと、先輩はキラキラと目を輝かせる。スプーンできなこが乗った白玉を一つ掬うと、ぱくっと食べた。
「…!あまぁい!」
…可愛いなァ、子供ってのは。
「後輩!美味しいアル!」
『そりゃ良かった。遠慮無く食べてくだせェ』
機嫌良く白玉団子を食べる先輩を見ながら微笑む。後で旦那には、よぉく謝るように言っとかねぇとな。
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九龍-くーろん-(プロフ) - 赫さん» ありがとうございます!今は出ませんが、後々彼とも会わせるつもりです!長らく手をつけていないので遅くなると思いますが、頑張ります!! (2021年2月22日 13時) (レス) id: 8d4444cf44 (このIDを非表示/違反報告)
赫(プロフ) - 面白かったです!沖田くんとの絡みがまたいい!神威くんとの絡みもありますか?更新頑張って楽しみに待ってます! (2021年2月21日 18時) (レス) id: 896d04091b (このIDを非表示/違反報告)
九龍-くーろん-(プロフ) - くるビーさん» 遅くなり申し訳ございません!飽き性なので不定期となりますが、少しずつ書いていきます! (2020年10月5日 14時) (レス) id: 8d4444cf44 (このIDを非表示/違反報告)
くるビー(プロフ) - 更新は何時ごろになりますか? (2020年9月25日 1時) (レス) id: 86be64a2f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2020年7月13日 19時