♡最近忘れてたことなんだけどさ… ページ2
エースside
『……』
時間は多分昼の1時。今日の仕事も終わらせてタワーに戻ってきた僕は今、食堂で昼食を食べている。
今日のご飯はクロワッサンにたっぷりのバターとコーンスープだ。もそもそとパンを食べて温かいスープを一口飲むと、甘いコーンの味が口の中に広がってなんとも幸せな気分になる。
「……」
「……」
『……』
周りの空気は何だかすっごく重いけど。
僕が一番最初に食堂に来て、ご飯を食べ始めた。そしたら次にジャックが来て僕にいつものような明るさで話しかけてきてくれた。それからなんだよ問題は。
何だか知らないけど、普通に話してたのに次第に元気が無くなっていって、今じゃ僕の隣でチラチラ様子を窺うように顔を見ながらご飯食べてる。僕何かしたっけ…?
で、その次に来たダルメシアも同じような感じになって、僕の真向かいですっごい不安そうな顔してるんだ。一体僕が何をしたというんだ、まだご飯しか食べてないよ。
「…あ、あのさ、エース…、…今日機嫌悪い?」
恐る恐る尋ねてきたジャックの言葉は意外なものだった。機嫌?え、普通だけど…
『いや、普通だけど…どうして?』
「だ、だって最近よく笑ってたのに今日前みたいに無表情だから…」
『…あ〜…』
ダルメシアも凄い勢いで首を縦に振ってる。成程〜…それで二人共機嫌が悪いのかなって思って、あ〜…
『いや、これは僕が自発的に無表情になってるだけだから』
「そうなの!?」
『うん。だって僕ジャックみたいに元々笑わないし。最近は楽しいこととかリクルーティングに出れた嬉しさもあって暫く頭のネジぶっ飛んでたけど』
あ、あと子供の前では笑ってるかな。子供は無表情怖がるからね。
「じゃあ別に怒っては無いんだね…?」
『うん。自分の昔の姿を取り戻そうと努力してるだけだよ。僕のイメージ崩れないようにしたいからね』
「よ、良かった〜!」
なんかごめん…。見て分かるぐらいほっと安堵する二人にちょっと申し訳ない気持ちがこみ上げる。食べ終わったお皿をトレイに乗せて片付けてから、二人の所に戻って『よし』と一声出した。
『トランプタワーしよう。部屋で待ってるよ』
「あ、それ僕知ってるぞ!高く積み上げるやつだろ!」
『そうそう。ジャックが得意なんだ』
「そうだぞ親友〜!とびっきり高いの見せてやるからな!」
「わーい!」
うん、やっぱり二人は笑ってる方がいい。今日の仕事はもう無いから存分に遊べるぞ。
時計の針を確認してから、僕は先に部屋に戻った。
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2022年10月20日 0時